子どもたちが健康づくりのアイデアを発表する「子ども健康会議」が1月11日、秋田市中通のにぎわい交流館AU(あう)で行われました。健康寿命日本一の実現に向け、健康について子どもたちに考えてもらおうと初めて開催したもので、「健康と運動」をテーマに、県内の小中学生7組12人が、運動を通じてみんなが元気に過ごすためのユニークなアイデアを披露しました。発表概要とアイデアを考えたきっかけを、発表順に紹介します。
ウハウハ健康ライフ
高慶二(たかし・けいじ)さん (小学6年)
秋田県には脳血管疾患で命を落としている人が多く、予防するにはバランスの良い食事と、有酸素運動を定期的に行うことが効果的だと知ったからです。
僕が提案するのは「ウハウハ健康ライフ」という名前のアプリです。ユーザーの年齢に応じてAIがお勧めの運動メニューを提案し、準備運動や水分補給のタイミングなども案内してくれます。運動すればするほどアプリ内のキャラクターがレベルアップ。キャラクターからの応援メッセージも表示されるので、積極的に運動に取り組むことができます。食事の記録や、栄養バランスのチェックもできます。
このアプリのメリットは、老若男女が楽しみながら運動できること。秋田県で脳血管疾患で亡くなる人が少しでも減ればいいなと思います。
ドゥーユーノウキンボール?
武田愛叶(たけだ・あいか)さん(小学5年)
武田一花(たけだ・いちか)さん(中学3年)
キンボールを体験し「こんなに平和で楽しいスポーツがあるんだ」と驚き、家族でどっぷりはまっています。心も身体も元気になれるキンボールを普及させたいと思いました。
キンボールは4人一組の3チームで行う競技です。直径122センチメートル、重さ1キロのボールを落とさないように打ち合い、得点を競います。▽得点が低いチームを攻撃してはいけない▽ミスをすれば他の2チームに加点される▽体のどの部分を使ってもOK―などのルールがあり、最後まで大差が付くことなく老若男女が楽しめます。私たちは今、小学1年生から65歳までの仲間と楽しくプレーしています。
自分の体より大きなボールを扱うので、誰か1人だけが動いてもゲームは成り立ちません。チーム全員の力が必要なスポーツです。
“一人で”や“家で”運動を続けることは難しいですが、楽しく動ける、みんなで集まれる場所があれば、人と人との交流ができ、心も身体も生き生きします。
このアプリのメリットは、老若男女が楽しみながら運動できること。秋田県で脳血管疾患で亡くなる人が少しでも減ればいいなと思います。
ラクゥン~〝楽〟しく〝運〟動~
鈴木莉央(すずき・りお)さん
佐藤好皆(さとう・このみ)さん
髙橋芹歌(たかはし・せりか)さん
(いずれも小学5年)
小学校高学年になって体を動かして遊ぶ機会が減ったと感じています。「友達と遊びながら健康になれたらな」と考え、自分たちなりの運動習慣を作りたいと思いました。
私たちは運動習慣をつけるアプリを提案します。その名も「ラクゥン」。〝楽〟しく〝運〟動するという意味を込めました。年齢や性別、生活スタイル、使用場所に応じて体を動かすミニゲームを提案し、運動不足解消につなげます。栄養バランスの良い食事メニューも作成してくれて、生活習慣病のリスクを減らします。
アプリ内通話もできるようにすることで、友達と遊ぶ感覚で楽しく使うことができます。利用者同士が積極的にコミュニケーションを取ることも、健康のためにとても大切な要素です。運動習慣は楽しい方が定着につながると思います。
スマホアプリを利用した継続可能な運動の提案~秋田県の健康リスクから考える~
大澤詩織(おおさわ・しおり)さん(小学6年)
多くの県民が抱える健康リスク「メタボ・高脂質・高血圧」にはいずれも運動不足が関係しています。おうちで手軽に始められる腹筋運動で県民の運動不足解消を手助けしたいと思いました。
自宅で手軽に腹筋ができるアプリ「おうちでゆる腹筋~プロジェクトM~」を提案します。「M」はマッスルの頭文字です。
運動は健康に良いと分かっていても、面倒、場所がない、天候に左右されるなどの色々な理由で運動できない人が多いと思います。そこで、おうちでできる腹筋運動をゆるく長く続けられるプログラムがあれば運動不足を解消できるのではないかと考えました。
アプリでは、県内のフィットネスクラブ監修の下、正しい腹筋の方法を教わることができます。隙間時間に好きな場所で、手軽に始められるのが特長で、続けると腹筋プログラムがレベルアップします。
ずっと元気で過ごすための第一歩を、この腹筋アプリで踏み出しましょう。
ゆるラン&ゆるウォークを続けて健康に♪
佐藤綾彦(さとう・あやひこ)さん(中学2年)
大好きな祖父母に、運動をしていつまでも健康で長生きしてもらいたい―。その一心で、ずっと運動を続けてもらえるようなわくわくする仕掛けを考えました。
僕の大好きなランニングやウオーキングを高いモチベーションを持って楽しんでもらうため、「絶景」「史跡&名所」といった複数のテーマに基づく魅力的なモデルコースをSNSで紹介します。
また、歩数を個人や団体で競い合えるアプリも提案します。上位者が地元温泉の入浴券や観光施設の割引券などがもらえる仕掛けがあれば、やる気アップにつながるでしょう。冬は雪で外を歩くのが難しいので、ゆるエアロビクスの動画配信もします。この提案が運動を続けるきっかけになり、祖父母にも健康で長生きしてほしいと思います。
運動と健康 これからの私たち
根本夏帆(ねもと・なつほ)さん
安井陽菜(やすい・はるな)さん
今野叶望(こんの・かなみ)さん
(いずれも小学6年)
学校の「総合的な学習」で秋田県の医療と健康について学びました。秋田県民(20歳以上)の1日の歩数が年々減っていることを知り、歩いて健康になれる方法を考えました。
ウオーキングなどの運動をすることでキャラクターの姿が変化する、育成ゲーム型のアプリを提案します。キャラクターが肥満体形の「おデブ」から、筋肉質の「細マッチョ」「マッチョ」と変化。マッチョになるとポイントがもらえ、アプリ内の商品を購入することができます。
運動が苦手な人もゲーム感覚で楽しみながら運動できる上、キャラクターが変化していくため成果が分かりやすく達成感があります。スマホで手軽に操作できるのもポイント。キャラクターがあることで子どもも親しみやすいこともこのアプリの良さの一つだと思います。
健康と運動
田崎文華(たざき・ふみか)さん(中学1年)
誰でも持っているスマホで手軽に操作できるアプリと、大勢の人に周知できるチラシの長所を取り入れれば、運動の習慣づけに大きな効果が得られると思いました。
運動時間を記録できるアプリの構築と、そのアプリを宣伝するチラシの作成・配布を組み合わせた、みんなが運動したいと思えるような仕組みづくりを提案します。
アプリには運動時間の記録のほかに、運動方法を例示したり、他の人の記録が見られるような機能も持たせることで、モチベーションの向上につなげます。スマホを毎日使う人は多いと思うので、記録をし忘れる心配がないのもメリットです。チラシにはアプリの起動につながる2次元コードを掲載。アプリの宣伝だけではなく、手に取った人が運動しようと思うきっかけづくりにする狙いがあります。