文字サイズ
メニュー
取組・体験記・コラム
10代の今から始める健康づくり

第2回子ども健康会議(令和7年10月5日)

掲載

 子どもたちが健康について学び、発信する「子ども健康会議」が10月5日、秋田市御所野のイオンモール秋田で開催されました。健康寿命日本一を目指す活動の一環で、2回目となる今回は「考えてみよう!スマートフォンとの上手な付き合い方」をテーマに、県内の小中学生6組11人がそれぞれの視点で健康づくりのアイデアを披露しました。発表概要とアイデアを考えたきっかけを、発表順に紹介します。

※「スマートフォン」「スマホ」の表記について、発表者の表記に合わせています。その他のきっかけや概要では、「スマホ」と略語を使用しています。

発表① Study&Exerciseスマホの自由を掴み取れ!

テーマ

Study&Exerciseスマホの自由を掴み取れ!

発表者

根本夏帆(ねもと・なつほ)さん(中学1年)
安井陽菜(やすい・はるな)さん(中学1年)
今野叶望(こんの・かなみ)さん(中学1年)

きっかけ

 昨年も参加し、自分や周りの人の健康について考えるきっかけになりました。今年も自分や周りの人だけでなく、たくさんの人の健康を考える機会を作りたいと思ったからです。

概要

 私たちは、スマホの使いすぎによる健康への影響を防ぐため、「Study&Exerciseスマホの自由を掴み取れ!」というアプリを提案します。このアプリは、勉強時間と運動時間に応じてポイントがもらえ、そのポイントによってスマホの使用できる時間が増える仕組みです。勉強は写真を撮ってAIに読み込ませ、運動は歩数や距離で計測されます。ランキング機能や友達とのルーム機能もあり、仲間と楽しく競い合いながらアプリを活用することができます。
 アプリのメリットは、スマホを使いながらも勉強や運動を頑張るようになり、学力や体力の向上につながることです。
 スマホは便利ですが、私たちが「使われる」のではなく、「自分たちの意思でコントロール」できるようにしていくことが大切だと思います。

発表② 僕とスマートフォンの付き合い方

テーマ

僕とスマートフォンの付き合い方

発表者

佐藤陽祈(さとう・はるき)さん(小学6年)

きっかけ

 兄がスマホを買い換えるときに古いスマホを譲ってくれたことがきっかけです。しかし、父と母は、僕が持つのはまだ早いのではないかと心配したことから、スマホの使い方について考えました。

概要

 スマホを使う時間を決めて生活することを提案します。僕は小学6年生の9月からスマホを使い始めましたが、だらだらと長時間使ってしまうことや目への負担、睡眠不足などの問題がありました。
 そこで、電話機能をなくして、主に家のWi-Fi環境でしか使えないように設定し、1日2時間までとルールを決めました。使用時間を守るためにアラームを使い、使用後は見えない場所に片付けます。また、目を守るためにブルーライトをカットするメガネをかけ、寝る前はスマホを使わないことにしました。
 下校後は家庭学習をして、ソフトテニスの練習があるときは練習前に少しだけスマホで遊び、ない日はいつもより長めにスマホの動画を見たり、ゲームをします。入浴や夕食後は少し休んで就寝します。こうした生活を続けることで、スマホに関わる時間をコントロールできるようになりました。生活習慣が整うので、程よい距離を保ちながらストレスなくスマホと付き合っていこうと思います。

発表③ ブラックスクリーンポイント

テーマ

ブラックスクリーンポイント

発表者

栗林佳佑(くりばやし・けいすけ)さん(中学1年)
栗林幸佑(くりばやし・こうすけ)さん(小学5年)

きっかけ

 必要以上のことをスマホで調べ始めたり、それほど見たいわけでもないのにSNSを見ていたり、気付くと長い時間が経っていたという経験があります。長時間の使用を自制するために、スマホと上手に付き合っていくための方法を考えました。

概要

 僕たちが提案するアプリは、「ブラックスクリーンポイント」です。スマホを使っていない時間は画面が真っ黒になりポイントが貯まる仕組みで、スマホの長時間使用を防ぐことができます。
 このアプリは、スマホを使っていない10分ごとに1ポイントが貯まり、夜9時から翌朝7時まではポイントが3倍になります。夜のポイントを多くした理由は、睡眠時間が減るのを防ぐためです。ポイントが貯まると、もっと貯めたいという気持ちが強くなり、自然と使う時間が減っていきます。さらに、ポイントを貯めたいと思える仕組みにするため、ポイントは書店や文房具店、スーパーなどの提携店で利用できるようにします。また、通信会社や学習塾などでも、キャッシュバックや特典が受けられるようにこの仕組みを活用してもらいたいと考えました。
 このアプリを使えば、スマホを必要なときだけ使う習慣が身につき、自分のしたいこと、やらなければいけないことに使える時間が増えるので、日々の充実度が上がると思います。

発表④ スマートフォンとの上手な向き合い方

テーマ

スマートフォンとの上手な向き合い方

発表者

木越夏偉(きごし・かい)さん(小学5年)
涌坪史煌(わきつぼ・しおん)さん(小学5年)
櫻庭結仁(さくらば・ゆいと)さん(小学5年)

きっかけ

 学校でスマホの使い方に関する眼科医の講話があったり、家族とゲームの使い方について話し合ったりする機会がありました。スマホはとても便利ですが、ついつい使い過ぎてしまいがちなので自分たちなりに向き合い方を考えました。

概要

 学年が上がるにつれて、1人1台スマホを持つのが当たり前になりつつある今、自分で時間を決めて使う工夫が必要だと思います。例えば、朝1時間、夕方30分など使わない時間をつくり、その間はスポーツや読書、料理など、夢中になれる他のものを見つけることも大切だと思います。
 僕たちはバスケットボールを一生懸命に取り組んでいて、iPadやスマホで試合を録画し、見返して練習に生かしています。しかし、便利な使い方ができる一方で、文字だけのやりとりでは気持ちが伝わりにくいこともあるので、大事なことは顔を見て話すようにしたいです。また、勉強するときはスマホを片付け、集中できる環境を整えるよう心がけています。
 スマホは便利だけど使いすぎないこと、上手に生活に生かすこと、やりたいことを一生懸命やること、伝えたいことは直接相手に話すこと、勉強とスマホを使う区別をはっきりつけることを意識して、これからもスマホと向き合っていきたいです。

発表⑤ スマホを自然と手放すために

テーマ

スマホを自然と手放すために

発表者

清水詩央里(しみず・しおり)さん(中学1年)

きっかけ

 今回の「子ども健康会議」のテーマ「考えてみよう!スマートフォンとの上手な付き合い方」をもとに、自分の課題を考え、スマホを自然と手放すための方法を考えてみました。

概要

 私は、スマホを自然と手放すために、アプリの時間制限を設けるという案を考えました。例えば、動画は1時間半まで。連絡機能などは付けずにあまり使わないことを意識しました。
 そして、夏休みに実践することにしました。はじめは、時間が少ないと感じたり、物足りないと感じたりしました。しかし、数日後には時間が少しずつ残っていくようになり、そして数週間後には少しの使用時間でも満足できるようになりました。
 最初は本当にできるのか心配だったけれど、続けていくうちに、どんどん慣れてきて、最終的にはスマホ以外で満足することができました。制限をかけることで自然とやめられるようになって、今も続けられています。その結果、部活や定期テストの勉強などがはかどるようになりました。

発表⑥ スマホ休憩エリア

テーマ

スマホ休憩エリア

発表者

佐藤心菜(さとう・ここな)さん(中学2年)

きっかけ

 スマホは使い方によって依存傾向を高め、SNS上のトラブル、読解力や集中力の低下などの弊害を引き起こす可能性があり、家族との時間も減ります。これらの問題は家でのスマホの使いすぎによるものだと思い、解決策を考えました。

概要

 スマホの使いすぎを防ぐために、家の中に「スマホ休憩エリア」をつくることを提案します。これは、スマホを使わない場所を決めて、家族との会話や自分の時間を大切にする取り組みです。
 まず、自分がよくスマホを使う場所をスマホ休憩エリアにします。次に、「ここでは使わない」とルールを決め、ポスターやメモを貼り、意識できるようにします。そして、スマホを置くカゴを用意し、物理的に距離を取ることで気持ちも切り替えられます。最後に、スマホを使わない時間を楽しむことです。家族との会話、読書、絵を描く、軽い運動などやることを決めておくと習慣化しやすいです。
 この取り組みは、継続することが最も難しいと思いました。スマホなしでできたことをリスト化したり、約束を守れた日はカレンダーにスタンプやシールを貼ったりして、達成感を得られる工夫をすることで継続できます。スマホ休憩エリアは、ただ使わないだけでなく、家族とのつながりや自分と向き合う時間を生み出す方法です。小さな習慣が大きな変化につながると実感しました。