冬はヒートショックにご注意を!

2024年10月30日 掲載

 体を温め、1日の疲れを癒してくれる入浴ですが、11月~4月の寒い季節には入浴中に気を失い、浴槽で溺れる事故が多くなります。厚生労働省人口動態統計によると、高齢者の浴槽内の不慮の溺死及び溺水の死亡者は、交通事故死亡者のおよそ2倍です。
 きちんと予防に取り組み、事故を防ぎましょう。

ヒートショックとは

 ・寒い季節に、暖房のきいた暖かい部屋から冷え込んだ脱衣所に移動し衣服を脱ぐと、血管が縮まり
 血圧が一気に上昇します。
 ・その後、浴室に入り体が温まってくると血管が広がり、脱衣所で急上昇した血圧が一気に下がりま
 す。
 ・急な温度差による血圧の急激な変化が、原因のひとつとされています。
 ・こうした急激な血圧の変化により、一時的に脳内に血液が回らない貧血の状態になり、一過性の意
 識障害を起こすことをヒートショックといいます。

高齢者は特に要注意!

 ・65歳以上の高齢者は、血圧を正常に保つ機能が衰えがちなので特に注意が必要です。
 ・若くても血圧が不安定な方や過去に風呂場でめまいや立ちくらみを起こしたことがある方も注意が
 必要です。
 ・「時間が長い」、「音がしない」、「突然大きな音がした」など異常を感じたら、ためらわずに
 声かけをしましょう。

ヒートショックの予防策

 ・暖房器具などを使い、入浴前にはあらかじめ脱衣所や浴室を暖めておきましょう。
  ◦ 暖房設備がない場合は、あらかじめ浴槽のふたを外して蒸気を立てるなどできるだけ寒暖差が
  少なくなるよう工夫しましょう。
 ・お湯の温度は41度以下、つかる時間は10分までを目安にしましょう。
  ◦ 血圧の急激な変化を防ぐにはかけ湯も効果的です。心臓から遠い足先から肩まで徐々にお湯を
  かけると体を慣らすことができ、心臓への負担が軽減されます。
 ・浴槽から立ち上がるときは、急激に立たずに落ち着いて上がりましょう。
  ◦ 急に立ち上がると入浴中に体にかかっていた水圧がなくなることで、圧迫されていた血管が
  一気に拡張し脳に行く血液が減り、貧血のような状態になってしまいます。
 ・食後すぐの入浴や飲酒後、医薬品服薬後の入浴は避けましょう。
  ◦ 食後や飲酒後は、一時的に血圧が下がりがちです。
 ・お風呂に入る前には、同居する家族に声をかけて知らせましょう。
  ◦ 入浴中に異変があった場合は、家族などの同居者にいち早く発見してもらうことが重要です。
 ・入浴前後には、水やスポーツドリンク等で水分補給をしましょう。
  ◦ 入浴時の発汗で失われる水分と塩分を補給することが大切です。

風呂場で倒れている人を見つけた場合の対応

 ・すぐに浴槽の栓を抜き、大声で助けを呼びましょう。
 ・入浴者を浴槽から出して救出しましょう。出せないときはふたに上半身を乗せるなどして、沈まな
 いようにします。
 ・ただちに救急車を要請しましょう。
 ・浴槽から出せた場合は、両肩をたたきながら声をかけ、反応があるか確認しましょう。反応がない
 場合は呼吸を確認します。
 ・呼吸がない場合には胸骨圧迫を開始し、救急車の到着まで続けます。人工呼吸ができるようであれ
 ば、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返します。

参考情報

 詳細については、下記を参照ください。
 ・交通事故死の約2倍?!冬の入浴中の事故に要注意! | 政府広報オンライン (gov-online.go.jp)