お口の健康 気にしていますか?

2021年10月18日 掲載

 県では、県民一人ひとりが生涯にわたって口腔の健康を維持し、生活の質の向上を図ることを目的に、様々な歯科保健事業を実施しています。
 ここでは、健“口”寿命を延伸するために、県民の皆様に知っていただきたいこと及び実践いただきたいことについて紹介します。

    ©2015秋田県んだッチ

日ごろの口腔ケアについて

 自分の歯が多いと健康寿命が長く、要介護期間が短いと言われています。
 最期まで自分の歯でおいしく食べ、楽しくおしゃべりできるようにするためには、日ごろの口腔ケアが重要です。

定期的な歯科検診を受診しよう

 歯を失う原因の37%が歯周病、29%がむし歯です。特に、歯周病は痛み等の自覚症状が出にくいまま進行し、骨を壊してしまいます。
 今の自分の口腔の状態を知り、日々のケアに活かすためにも、年1回以上は歯科検診を受診しましょう!

       H30年8020推進財団調査

フロスや歯間ブラシなども活用しよう

 歯を磨くことは、口腔内の健康を保つために非常に重要です。その際、歯ブラシを使っている方が多いと思いますが、それだけでは汚れを完璧に取り除くことが難しいのはご存じでしょうか?
 普段の歯みがきの際には、フロス(糸)や歯間ブラシなども併せて活用し、歯ブラシが届かない所も意識して清掃してみましょう。

↑歯間ブラシを使った清掃の様子

舌も清掃しよう

 細菌や食べ物のカスが舌に堆積していると味を感じづらくなってしまうほか、粘つきや口臭等の原因となります。
 清掃の際には、歯ブラシでは舌を傷つけてしまう恐れもあるので、専用のブラシ(舌ブラシ)を使いましょう。

入れ歯を正しく使おう

【自分に合った入れ歯を使おう】
 自分に合わない入れ歯を使い続けると不具合が出てしまいます。
 また、歯を失ってから入れ歯を使用していない場合、入れ歯を使用している場合を比べ、認知症リスクが約1.9倍に増加するという研究結果も出ています。

【毎日清掃しよう】
 毎日の就寝前などにその日の汚れを落としましょう。
 清掃の際には、ブラシを使い洗面器等に水を溜めてか流水で洗浄し、バネの裏側は特に丁寧に洗うようにしましょう。
 また、乾燥し変形することを防ぐために必ず水中で保存してください。

↑ブラシを使った入れ歯の清掃の様子

お口の筋トレをしましょう

【あいうべ体操】
 舌が正しい位置にあることで、口呼吸を鼻呼吸に改善します。鼻呼吸にすることで口腔内乾燥による口臭・むし歯等のリスクが減少します。
 ※ 1セット10回、1日3セットを目標に無理のない程度に継続してみましょう

【パタカラ発音】
 嚙む・飲み込む・話す等の機能の衰えを防ぐことにより、脳への適度な刺激を与えるとともに、誤嚥防止により、誤嚥性肺炎のリスクを抑えます。

喫煙との関係性

 喫煙は、歯周病にかかりやすくなるほか、その症状に気づきにくくなったり、治りを悪くする原因となります。また、男性の口腔・咽頭がんのリスクを1.8倍に高めるなど、様々な病気の原因となります。

秋田県の現状

学齢期の取組は全国と比較し進んでいるものの、県民の口腔環境はライフステージが上がっていくにつれ、全国との差が広がっている現状です。

【乳幼児期・学齢期】

① 3歳児におけるう蝕のない者の割合  81.3% (全国85.6%)

② 12歳児における1人平均う蝕経験歯数  0.7本 (全国0.74本)

③ フッ化物洗口を実施している施設等の割合  74.7% (全国17.4%)

(出典)
①H29年度「地域保健・健康増進事業報告」(厚生労働省)
②H30年度「学校保健統計調査」(文部科学省)
③H30年度「フッ化物洗口実施状況調査」(秋田県)
 H27年度「日本における施設での集団応用フッ化物洗口実態調査」
 (NPO法人日本フッ化物むし歯予防協会,WHO口腔保健協力センター,公益財団法人8020推進財団,一般社団法人日本学校歯科医会 共同調査)

【成人期】

① 20~50歳代において8020運動を知っている者の割合  52.6%

② 20~50歳代において年に1回以上定期的に歯科検診を受けている者の割合  24.1%                                (全国52.9%)

(①②出典)
H30年度「健康づくりに関する調査」(秋田県) 、H28年度「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)

【高齢期】

① 60歳代で24本以上自分の歯を有する者の割合  37.84% (全国74.4%)   
 (※全国は「60歳で24本以上自分の歯を有する者の割合」)

② 80歳代以上で20本以上自分の歯を有する者の割合  17.07% (全国51.2%)   
 (※全国は「80歳で20本以上自分の歯を有する者の割合」)

③ 60歳代における咀嚼(そしゃく)良好者の割合  58.8% (全国72.6%)

(①②③出典)
H28年度「県民歯科疾患実態調査」(秋田県) H28年度「歯科疾患実態調査」(厚生労働省)

オーラルフレイルについて

 オーラルフレイルとは、口腔機能の軽微な低下や食の偏りなどを含んだ心身の衰え(フレイル)です。健康と機能障害との中間にあり、可逆性があります。オーラルフレイルを予防するためにも日ごろの口腔ケアが大切です。

  ※オーラルフレイル進行のイメージ

フッ化物洗口について

 県では、平成16年度から県歯科医師会や市町村と連携し、子ども達を対象としたむし歯予防としてフッ化物洗口(適度な濃度のフッ素を含む洗浄液でうがいをする方法)を推進しています。 
 フッ化物洗口実施施設の増加に伴い、12歳児(中学校1年生)のむし歯経験歯数は大きく減少しています。

 ○ 平成30年度市町村別フッ化物洗口実施状況

8020運動について

 「8020(はち・まる・にい・まる)運動」とは、80歳まで自分の歯を20本以上残そうという運動です。自分の歯が20本以上残っていれば、ほぼ食べることに困らずおいしく食べられ、生涯にわたって健やかな生活を送ることができると言われています。
 県では、80歳以上で20本以上の自分の歯をお持ちの方を認定し、さらに優秀な方を表彰する事業を行っています。

参考資料

 ○ 秋田県歯と口腔の健康づくりに関する計画

 ○ 平成30年度歯科保健対策施策報告書