屋内禁煙で快適な職場づくり/健康と共に発展していくエイブリック株式会社 秋田事業所(大仙市)

2023年09月15日

 エイブリック株式会社は、電源用IC、車載用IC、医療機器用ICなど高品質で多様なアナログ半導体の専業メーカーとして活躍する企業である。秋田事業所は社員数212人、若い社員からベテランまで幅広い年齢層が働いている。秋田県受動喫煙防止宣言施設として、2018年に屋内禁煙施設の登録をしている同社。「喫煙所を屋外に移動するまで、社員から理解と協力を得るのが大変でした」と、産業看護師で衛生管理者の鈴木さんは話す。

         事務所入り口

 屋内禁煙のきっかけは、厚生労働省が公表した「職場における喫煙対策のためのガイドライン」だった。喫煙率が本社や京葉地区の事業所と比べ秋田が断トツで高かった為、社員の健康管理を第一と考え迅速に対応することが秋田事業所内で決まった。安全衛生委員会にて「分煙」を定期審議し、食堂に禁煙席を設けることから始め、その後、会議室・応接室を完全禁煙とした。令和2年4月の「改正健康増進法」の施行により更に取組を強化し、たばこを吸わない社員の健康を守る為、食堂の一番奥にあった喫煙スペースをビニールシートで囲った上で、換気扇を二か所に設置し中の煙が漏れて受動喫煙が起きないようにした。しかし、食堂内の喫煙所は利用しやすい場所にあったため、喫煙者は増加。設備の老朽化もあり、煙の臭いが食堂内に漏れていた。今後の設備費用や健康面、衛生面を考えると屋内禁煙が適切であるとし、屋外に喫煙所を設置する話し合いをしたが、社員から「コミュニケーションの場がなくなる」などの苦情や非難がありスムーズに進まなかった。

        廊下の掲示板

 健康管理上、受動喫煙がない働きやすい職場環境を整える為、食堂を粉じん計で測定し基準値を超えている事を明確に数値化して、粘り強く話し合いをした結果、2016年に屋外に喫煙所を設置する事ができたと鈴木さんは話す。カーポートを耐久性・防火性のあるシートで囲い、煙が多方面に漏れることを防いだ。更に「禁煙タイム」「喫煙所の人数制限」「吸い殻の処理方法」などのルールを定めた。社員玄関にカードがあり、カードを持っている人のみ喫煙所を利用できることを徹底し、喫煙所の人数制限を行っている。
 また、企業内診療所に禁煙外来を開設。受診費用の補助やニコチンパッチを本人の負担がないように処方した。多くの喫煙社員が利用し高い確率で禁煙に成功している。たばこをやめる良いきっかけができたと喜ぶ社員もいたとのこと。衛生管理者の鈴木さんは、「敷地内全面禁煙が目標です。時間をかけ屋内禁煙まで理解を得て進める事ができました。禁煙活動を実施している企業の情報収集や、喫煙者に対してたばこの害に関する内容を配布、掲示板へ啓発パンフレットを掲示し、喫煙のリスクを意識させ、禁煙に取り組む社員を一人でも増やし喫煙率を現在の37%から早期に30%未満にしたいです。」と、話す。こうした健康管理を続ける事で、会社全体の健康への意識が高まっていく。健康増進と共に職場環境をより良くし、エイブリック株式会社は事業の更なる発展に取り組んでいく。

エイブリック株式会社 秋田事業所
設立 2016年
秋田事業所長 熊沢 栄一
住所 秋田県大仙市大曲西根字鳥居58-2
TEL 0187-73-8103
FAX 0187-73-8104
https://www.ablic.com/jp/semicon/