会社事務所から始めて現場など段階的に禁煙へ/社員の健康管理を最優先に株式会社芳賀工務店(北秋田市)

2025年07月07日

 北秋田市旭町に社屋を構える株式会社芳賀工務店は、1965年の創業から数え今年で60周年。北秋田市を中心に、土木・建築、舗装工事等の公共工事に加え、民間建設工事、不動産業などを展開している。建設業は現場を抱え喫煙者が多い傾向にあったが、15年ほど前、会社の健康診断で社員が肺がんと診断されたため、社員を喫煙の健康リスクから守ることが大きな課題となり、現在は屋内禁煙を徹底している。屋内禁煙を段階的に進めてきた同社の取組について、佐藤洋子専務理事にお話を伺った。
 会社からたばこの煙をなくすため、最初に取り組んだのは今から5年前。会社事務所内を禁煙とし灰皿をすべて撤去した。さらに、会社から離れた場所にある現場での喫煙とそれに伴う受動喫煙をなくすことは、建設会社にとって大きな課題だったが、まず会社車両や重機を禁煙とし、続いて現場事務所内も禁煙とすることとし灰皿を撤去した。
 屋内禁煙とする会社の方針を段階に実行してきたことが、社内の禁煙に向けた意識を高めている。「以前たばこを吸っていた社員が喫煙者に禁煙を勧めたり、社員同士で話し合う中で禁煙する人が少しずつ出てきている。また、喫煙者のたばこの本数も減ってきているなど、取組の効果は確実に表れてきている」と佐藤専務は話す。

   玄関先に置いている禁煙の啓発資材

 現在の社員数は27人であるが、平均年齢が56歳とやや高くなってきたこともあり、同社では定期的な体重測定・血圧測定を行い、また健康診断の項目を増やすなど社員の健康管理を強化している。健康診断の結果は社内会議で報告され、再検査が必要な場合は、芳賀社長や佐藤専務が対象の社員に声掛けして受診を促している。また、禁煙ガムや禁煙パッチを勧めたり、禁煙への意識づけを進めているという。
 さらに毎月1回、健康や災害に関する情報を掲載したプリントを社員に配り情報の共有を図っている。
 また、安全運転管理者協会主催の「セーフティチャレンジ100日」コンテストに参加し無事故無違反を達成するなど、社員の交通事故防止にも積極的に取り組んでいる。健康被害や災害、事故から社員を守る、という一貫した方針が社員に浸透してきている。  

 同社では、屋内禁煙の取組が効果を上げてきた機会をとらえ、2022年2月に秋田県受動喫煙防止宣言施設に登録。さらに、一人ひとりの健康管理を積極的に進めることで会社経営の安定にもつなげることをめざし、秋田県版健康経営優良法人に申請、同年9月に認定された。佐藤専務は「社員が健康であればその家族も安心して生活できる。これからも社員の健康管理を最優先に考え、健康経営を続けていく」と話す。
 株式会社芳賀工務店は、これからも屋内禁煙で空気がきれいな職場環境を維持しながら、社員の健康維持・健康増進に取り組み続け、地域の住みよい生活環境の発展に貢献していく。

社員休憩室に貼られた禁煙を呼びかけるポスター
   受動喫煙防止宣言施設登録書(上)と秋田
   県版健康経営優良法人の認定証(下)

 


株式会社 芳賀工務店 
設立  1965年
代表取締役社長 芳賀 喜弘
所在地 北秋田市旭町9番3号
TEL 0186-62-0952
FAX 0186-62-0963
https://hagacomuten.com/

「受動喫煙防止宣言施設」登録制度について

 県では、受動喫煙防止対策を促進するため、市町村及び全国健康保険協会秋田支部(協会けんぽ秋田支部)とともに「受動喫煙防止宣言施設」登録制度を実施しています。

登録方法については、こちらをご覧ください。
「受動喫煙防止宣言施設」登録制度について(外部リンク)