受動喫煙防止宣言をきっかけに/職場だけでなく自宅でも煙の心配なく グループホームしゃぼん玉(能代市)

能代市に施設を構えるグループホームしゃぼん玉は、令和5年9月に受動喫煙防止宣言施設として認定され敷地内禁煙を実施している。グループホームしゃぼん玉は認知症の方を対象として現在9名が入所しており、アットホームな空間づくりをされていた。今回は同施設の受動喫煙防止対策について、斎藤施設長にお話を伺った。

斎藤施設長は看護師の経歴を持ち、病院勤務時代にはがん患者の方を受け持った経験から「肺がんの方は健康な人より、酸素が体内に十分に入ってこないようで、とても苦しんでいる様子を目の当たりにしました。他のがんでも同じことが言えますが、防げるものは防いで健康でいてほしいという強い思いがあります」と話す。過去に喫煙をする職員はいたが、就業時間中や敷地内でたばこを吸うことはできない旨を伝えていたことで、たばこの煙が気になることなく施設を運営することができた。そして「受動喫煙防止宣言施設」の登録制度について知ったときには喫煙者がいなかったこと、受動喫煙防止を職員や来訪者に意識づけできる良い機会であること、喫煙者を家族に持つ職員には、この宣言が禁煙への一助になればいいとの思いから宣言をした。また、斎藤施設長は職員や入所者に向け、喫煙はたばこを吸う本人だけでなく、周囲の人が受動喫煙にさらされると健康被害があるということを伝えていた。そうすると職員に変化が現れた。ある職員は、自身はたばこを吸わないが家族内に喫煙者がおり、喫煙者と非喫煙者の家族の健康を考えて自宅で灰皿を全て撤去してみたところ、喫煙者の禁煙につなげることに成功。喫煙者本人もたばこによる健康影響を知っていたたものの、なかなか止められない現状を打破するきっかけとなり、喫煙者本人は喫煙による健康リスクが、非喫煙者の家族には受動喫煙による健康被害の心配がなくなり安心して過ごせているという。職場での受動喫煙防止の取組がきっかけで家族の健康につながる一例となった。「日頃からの情報発信で健康に対する意識改善ができ良かったと感じています」と斎藤施設長は話す。施設入口の壁や棚には受動喫煙防止宣言施設の登録書やポップが掲示され、入所者や職員だけでなく、来訪者も受動喫煙防止を意識できるようになっていた。
入所者のご家族が来訪された際はたばこの煙についての話が出ることもなく、当たり前に禁煙空間が提供されている同施設。毎日入所者と職員がラジオ体操などの運動を15分程行い健康を維持しており、皆元気に過ごしているという。また、職員に対しては長く職場で元気に働いてほしいという思いから、早期発見で治るがんもあることを指導し、年2回の健康診断に加えて乳がん検診、子宮がん検診、胃がん検診、大腸がん検診の費用を補助し、がん検診を促している。これからもグループホームしゃぼん玉は健康の維持・増進に取り組み、入所者と職員がともに長く元気で過ごせる環境を提供していく。


有限会社おいわけケアサービス
グループホームしゃぼん玉
創業 平成15年2月
代表取締役 斎藤 由紀子
住所 能代市追分町2-36
TEL 0185-52-8877
FAX 0185-52-8877
「受動喫煙防止宣言施設」登録制度について
県では、受動喫煙防止対策を促進するため、市町村及び全国健康保険協会秋田支部(協会けんぽ秋田支部)とともに「受動喫煙防止宣言施設」登録制度を実施しています。
登録方法については、こちらをご覧ください。
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