メンタルケアの有資格者を配置/顧客の相談にも対応心の健康増進に取り組むケツァール
保険代理店のケツァールは2019年創業。この翌年から3年連続して県の健康経営優良法人に認定されている。従業員向けに健康相談窓口を整備したり、がん治療と仕事の両立を図る体制を整えたりして、健康で長く働き続けられる職場づくりを進めている。
加藤隆志社長は「当社は保険販売を通じて、法人や個人のお客さまの健康増進をサポートしています。法人のお客さまに健康経営を薦める立場として、当社自ら健康経営を実践しようと考え、優良法人の認定申請を行うことにしました」と動機を語る。
力を入れている取り組みの一つがメンタルケアだ。提携する損害保険会社の福利厚生サービスを活用。従業員が精神的な不調や悩みを抱えたときに備えて、いつでも相談できるようにしている。
昨年春には、内勤職員として書類作成業務などを担当する杉沼麻衣さんが「メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種」(大阪商工会議所主催)に合格した。この資格は、企業内の部門の管理監督者としてメンタルヘルス対策を推進するための知識を身に付けていることが要件となる。杉沼さんは「日頃勉強している保険の知識とは全く内容の異なる試験だったので、気分転換を図るような感覚で勉強しました」と振り返る。仕事と子育ての両立を図りながら、空き時間を見つけて勉強したという。
この資格取得を杉沼さんに勧めたのは加藤社長だった。加藤社長は「法人のお客さまから『心の健康に関する対応をどう進めたらよいか分からない』という相談を受けることが多く、健康経営に取り組む上で、メンタルケアは今後一層ニーズが高まると思っています。メンタルヘルス・マネジメントの有資格者がいれば、社内の環境整備につながることはもちろん、お客さまに対しても的確なサポートができると考えました」と話す。
こうした取り組みのほか、同社は働き方改革も健康経営の一部と捉えて制度を整備している。小学3年生以下の子どもを育てている社員は、終業時刻を1時間早めても通常勤務として扱っている。
加藤社長は「今後は、がんや生活習慣病の予防に関するサポートに力を入れていきたい。これまでお客さまや社員向けに勉強会を開いており、こうした支援を続けたいと考えています」と話した。