社員の健康診断「経過観察」減らしたい/口腔ケアにも力注ぐ「健康一番、安全第一」の職場づくり▶▶▶藤田建設

2025年09月30日 掲載

 男鹿市の藤田建設は社員の健康を経営の要とし、「健康一番、安全第一」を掲げる。生活習慣の改善や口腔ケア、健康診断の受診促進など多岐にわたる取り組みを展開している。

毎朝エア縄跳びをする社員

 年度ごとに健康経営目標を設けており、昨年度は健康診断の経過観察者と精密検査対象者を減らす「経過観察・要精検 減」だった。本年度はこれを継続して「経過観察・要精検 減 PartⅡ」とし、社員には1日8千歩を目指して体を動かすよう促している。社内に表を掲示し、目標を達成した社員の欄にシールを貼るなど、達成度を一目で分かるようにしている。

玄関ホールに掲示した令和7年度の健康経営目標ポスター

 火曜は「休肝日」、木曜は間食を控える「NOもぐもぐDAY」、金曜は「禁煙日」とするなど、社員が楽しみながら取り組めるよう工夫している。また毎朝、ラジオ体操と一緒に5分間の「エア縄跳び」も実施している。エア縄跳びは、縄を持たずに縄跳びの動作を行うトレーニング。社員に好評で「骨粗しょう症の予防になると期待している」などの声が寄せられたという。

 全社員を対象に年1回、社内で歯科健診を行うなど、口の健康を守る取り組みにも力を入れている。2021年からは全国健康保険協会(協会けんぽ)の歯科検診事業を活用し、費用は同社が負担している。総務課長の秋山めぐみさんは「社員らは検診の際、口腔(こうくう)ケアについてアドバイスを受けることができます。口腔衛生の大切さを知り、歯の定期健診に行く人が増えました」と話す。

 また23年度には、県の口腔機能向上プログラムを活用。月1回、半年間にわたり歯科衛生士が同社を訪れ、口腔ケアについてアドバイスしたり、トレーニング法を指導したりした。この取り組みが評価され、同社は昨年度、県健康づくり県民運動推進協議会が実施する「健康秋田いきいきアクション大賞」の最優秀賞を受賞した。

毎年1月に会社で実施している歯科検診

 ほかにも、毎年1月には検診車による健康診断を実施。大腸や胃のがん検診も全員を対象に行っている。健診結果を基に同社全体の傾向を把握し朝礼で共有して、健康づくりに対する意識向上を図っている。

 同社は、経済産業省などが実施する「健康経営優良法人(中小規模法人部門)」に2020年から5期連続で認定された。県版の健康経営優良法人の認定は6期連続だ。代表取締役社長の安田張幸さんは「高齢化社会で元気に長く働くために、企業が率先して健康経営に取り組むことが重要です。社員の健康が会社の力になります」と話した。