コロナ禍機にリモート勤務定着/健康への高い意識醸成3期連続で県の健康経営優良法人→→→NTT東日本秋田支店

2022年09月30日 掲載
歩数や体重、血圧などのバイタルデータを確認する社員。健康に対する意識醸成に役立っているという

 約300人が働くNTT東日本秋田支店(秋田市)は、社員の健康を「経営の最重要事項」と捉え、情報通信技術(ICT)の先端企業ならではの強みを生かした柔軟な働き方を推進。2020年度以来、3期連続で県の健康経営優良法人に認定されている。

 新型コロナウイルス禍を機に、それまでの介護や育児などを理由とした在宅勤務の利用から、勤務場所や勤務時間に捉われない、より柔軟な働き方を可能とするリモートワーク制度の創設や、フレックスタイムの活用促進により、新たな働き方が定着しているという。

 また「塩分マイナス2グラム+野菜70グラム(小鉢一皿)+果物」をスローガンとする食生活改善の呼び掛けや、喫煙の健康リスクについて理解を深める勉強会開催、質の良い睡眠を実現するためのプログラム実践など、社員の健康維持・増進にさまざまな角度からアプローチしている。

全社員に書いてもらっている「私の健康宣言」カード。目標体重や「休肝日」の設定など、具体的でユニークなものが目立つ

 ユニークなのは「私の健康宣言」カードの配布。20年からの取り組みで、全社員に上期・下期の目標を記入してもらっている。設定目標は自由で、「体重70キロ」「在宅勤務の日は休肝日」「夜9時以降の間食を取らない」など、いずれも具体的・定量的。歩数や体重、血圧などのデータの推移を確認できるアプリの活用とともに、健康への高い意識の醸成に役立っているという。

 課題も見えてきた。リモート勤務で孤立になりがちな社員のメンタル面での変調を、いかに見落とすことなく把握し、必要なサポートにつなげていくか―だ。

 同支店では社員自身が変調を把握するセルフケアとともに、社員の変調に上長が気付くきっかけとするための「パルスサーベイ」(満足度調査)を実施。全社員を対象に▷業務量は適切か▷自分のペースで仕事ができているか▷職場の人間関係は良好か▷仕事への満足度は▷睡眠や食事は適切に取れているか―の5項目を2週間に1度尋ね、上長にフィードバックしている。

6月に3年ぶりに開催された社内ソフトボール大会。「ウイズ・コロナ」時代を展望した動きも加速しつつある

 「コロナ禍で世界は大きく変わった。この先の働き方を展望していく上で、リモート下でのコミュニケーションの在り方やメンタル面での変調にいかに気づくかということを考えていかなければならない」と、阿久津宏・同支店企画総務部長。今年6月、3年ぶりに開催した社内ソフトボール大会など、「ウイズ・コロナ」時代を展望した動きも加速しつつある。