特別休暇制度を導入/2次検査や治療を受けやすく制度活用へ就業規則も改定▶▶▶比内ふくし会
社会福祉法人比内ふくし会(大館市)は、特別養護老人ホームやデイサービス、認知症グループホームなど13事業所を展開する。地域密着型の多様な事業を支える職員222人の健康を守り、働きやすい職場づくりにつなげるため、社内制度を充実させている。

その取り組みの一つが昨年6月に導入した「再検査特別休暇制度」だ。職員が健康診断の2次検査などを受ける場合、特別休暇を取得できる仕組みで、昨年度は6人が利用した。通常の有給休暇を使わずに済み、職場に休暇を申請する時の心理的負担にも配慮する支援策として、職員に周知を図っている。

法人事務局主任の山畠千春さんは「法人内で配布している『健康経営ニュース』や、給与明細の裏面に制度について記載し周知しています。これにより職員の健康に対する意識も高まっています」と話す。2次検査の積極的な受診につなげるため、産業医との連携も強化したいという。
昨年は、がんや不妊治療などに対応する「治療休暇制度」も整備した。年5日の特別休暇が付与される。既に7人が利用し、各者の事情に応じた柔軟な対応がなされているという。事務局長の田村秀明さんは「制度を円滑に運用するために、社会保険労務士と連携して就業規則の改定にも取り組みました」と話し、職員が制度を積極的に活用することに期待する。

比内ふくし会は、各施設の管理者と職員が年2回、個別面談を行っている。この面談の際に職員から寄せられる声を制度整備に生かしている。理事長の佐藤剛さんは「職員には健康で長く勤めてもらいたい。その願いを込めて制度を新設しました。病気の悩みや体調のことなども気兼ねなく管理者に相談してもらいたいです」と話す。
今年3月に秋田県版健康経営優良法人に認定された。今後は、制度の運用状況や職員の声を踏まえ、改善と拡充を検討していくという。