意識向上へ健康経営宣言書を掲示/メンタルヘルスも大切に 秋田県版健康経営優良法人を目指して▶▶▶山岡工業

2025年01月31日 掲載
県職場対抗卓球大会の様子。部員4人の平均年齢は67歳=2024年12月

 今年、創業74年を迎える山岡工業(秋田市)は、上下水道管などのライフラインに関わる施設の工事や維持管理を担う。社員が心身共に健康で長く勤められるよう、昨年、全国健康保険協会(協会けんぽ)秋田支部が推奨する「健康経営宣言」を行った。

 宣言書に記載した重点5項目は社内に掲示している。毎年の健康診断と再検査の受診を徹底するため、再検査の初回費用を会社が負担する仕組みを設けた。また協会けんぽの保健師による特定保健指導を積極的に活用するよう社員に呼び掛け、生活習慣の見直しにつなげている。

 労働環境の整備にも取り組む。長時間労働を防ぐため、業務の平準化や合理化を進めているほか、現場の要望に応えて空調服や防寒服の導入を決めた。高機能の作業服は高価だが、社員の健康と気候変動リスクに対応するために必要と判断した。

 また運動の機会を増やすため、内勤の社員も朝のラジオ体操を習慣化。社内には野球部と卓球部があり、両部員は、大会出場に向けて練習に励んでいる。

本社で行われている朝のラジオ体操=2025年1月

 社員のメンタルヘルスも大切にしている。社内アンケートを行い、職場の雰囲気について聞いたところ、人間関係の良好さを評価する声が寄せられたという。営業部次長の高橋政晶さんは「社員同士の関係が良好だから仕事を続けられていると答えた社員が多くいました。世代を超えて意思疎通ができるようコミュニケーション能力を磨くことが必要です」と話す。部署を横断して社員が交流するワークショップも企画したという。

 山岡工業は昨年12月、秋田県版健康経営優良法人の申請書を県に提出。今年3月の認定取得を目指す。健康経営に関して、社員に理解を深めてもらうため、年末には研修会を開催した。

協力会社約50社と一緒に開催した健康経営に関する研修会=2024年12月

 常務取締役の伊藤正人さんは「労働基準法の改正により、建設業は昨年4月から、時間外労働の上限規制が適用されています。当社は3年前から人員を増やして分業を行うなど対応を進めており、これを健康経営に直結する取り組みと位置付けています」と話した。