フレイル対策でいつまでも元気に/高齢者向けに疾病・介護予防 住民とつながる健康推進班▶▶▶上小阿仁村

2024年12月31日 掲載
さわやかクラブの様子。運動機能の向上を図る

 上小阿仁村は、県内25市町村の中で、高齢化率(県人口に占める高齢者の割合)が最も高い地域だ。県のまとめによると、今年7月1日現在、市町村別の高齢化率は上小阿仁村の59・0%が最高だった。高齢になっても元気に暮らす住民を増やそうと、同村は2023年度から、体力や認知機能の低下など加齢による衰えを防ぐフレイル対策に取り組んでいる。医療分野の疾病予防と、介護分野の生活機能維持の要素を組み合わせた「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」が特徴だ。

 対策の一環として、フレイル健診を開催している。年2回の健診に参加できる住民30人を対象に、身長、体重、握力、体組成などを測定。運動機能や口腔(こうくう)機能の計測も行い、その日のうちに、フレイルの判定結果を通知している。昨年度は75歳以上、本年度は70歳以上を対象にそれぞれ実施した。

脳いきいき講座では認知予防を目的とした脳トレなどを実施

 住民福祉課健康推進班の福地志保さんは「健診結果から健康状態を把握し、すぐにアドバイスやサポートにつなげられることがメリットです」と話す。フレイル健診の結果を受けて、健康運動指導士が体操や講話を実施する「フレイル予防教室(さわやかクラブ)」や「脳いきいき講座」への参加を促している。

脳の健康チェックを行う参加者。アンケートやテストに回答する

 本年度の脳いきいき講座は、秋田大学高齢者医療先端研究センターと連携して「脳の健康度チェック」を新たに取り入れた。スマートフォンやタブレットで質問に回答する。このチェックで好成績を修め「認知機能に自信を持てた」と喜ぶ住民もいるという。

 健康推進班は22年に、村役場から保健センターに移転した。集団検診などが行われる保健センターを拠点にしたことで、同班の職員が住民に接する機会が増えたという。また隣接する社会福祉協議会との連携もこれまで以上に強くなった。

 福地さんは「健診や予防教室などの催しに参加していない人とも、関係を絶やさぬようにつながり続けることが大切だと考えています。村内の各地域を訪問すると、住民の皆さんが本当に元気で、ケアを担当する私たちも、心身共に健康でいなければいけないと感じます。地域の力を信じて活動していきます」と話した。