スポーツイベントで元気に/会社が運動を習慣化 体と心の健康を支える環境づくり▶▶▶伊藤工業
総合建設業の伊藤工業(秋田市)は、「地域貢献」を理念に掲げ、上下水道の築造や学校や病院の建設などインフラ整備を手がける。秋田空港の除雪業務も担い、暮らしの安全安心に貢献している。

同社は、従業員に健康で長く働いてほしいとの思いから、2019年に全国健康保険協会(協会けんぽ)秋田支部が推奨する健康経営宣言を行った。特にスポーツを通じた健康づくりに力を入れており、野球大会やゴルフコンペを定期開催している。野球は企業対抗戦を行うなど活動が盛んで、社内広報紙に試合結果を掲載して多くの社員に関心を持ってもらえるようにしている。

バスケットボール女子Wリーグ「アランマーレ秋田」の協力の下、地域住民に参加を募り、毎年秋に3人制バスケ大会も主催している。3年目となった昨年は社員を含む16チームが参加。中学生から社会人までの老若男女が熱戦を繰り広げた。参加者からは「気軽に参加できる大会があってうれしい」との声が寄せられ、地域のスポーツイベントとして定着しつつある。
ほかにも、本社敷地内にあるハーフサイズのバスケットコートは一般開放しており、社員や学生、家族連れなどが利用。地域の健康増進に一役買っている。

健康づくりの意識向上を図るため、総務部に「健康促進チーム」を設置した。このチームが健康診断の2次検診の対象者に受診を呼びかけた結果、2022年以降は2次受診率100%を達成。また、同チームが年1回開催する健康教室では、県栄養士会の栄養士を招いて参加者の推定野菜摂取量を測定し、塩分摂取量などの講話を行っている。受講後「食事が想像以上に乱れていた」などと驚く従業員が多く、食生活の改善につながっているという。
取締役執行役員の伊藤勇気さんは「体を動かす時間がなかなか取れない社員に、会社が運動する機会を提供しています。心の健康づくりも目指しています」と話す。今後、スポーツイベントをさらに充実させるなどして従業員と地域の活力を支えていく考えだ。