登山や家庭菜園で汗/親睦深める契機にも体を動かす社外活動を続ける奥羽住宅産業
「住宅リフォームのプロ集団」をうたう奥羽住宅産業(秋田市)は、今年創業33年目を迎えた。登山や家庭菜園などの社外活動を通じ、従業員に体を動かす機会を提供している。健康増進だけでなく、仲間との親睦を深めることにもつながっている。
毎年初夏の登山は20年以上続く恒例行事。当初は社名にちなんで奥羽山脈の山を登っていたが、いまは同市の太平山が定着している。今年7月は従業員約20人が参加。例年よりペースを落とし、新緑を楽しみながら片道4時間弱かけて登った。下山後は市内の温泉施設で汗を流し、宴席を囲んだ。
同社が市内に所有している家庭菜園も、従業員の健康づくりに一役買っている。栽培しているのはキュウリやナス、トマト、サツマイモなど多彩。毎年5月に従業員で手分けをして苗を植え、実ったら収穫する。今はイモノコの収穫時期だ。採れたての野菜を使い、社内で豚汁を作って味わったこともある。
中村瑞樹社長は「普通に過ごしていると、なかなか長時間運動をする機会がない。登山も家庭菜園も、普段使わない筋肉を使えるので健康に役立っていると思う」と話す。自然の中で体を動かすことにもこだわっているといい「開放感があり、心も気持ちよくなれる」と笑う。過去には田植えや稲刈りに挑戦した年もあった。
3年ほど前、社内外から信頼の厚かった従業員が病気で亡くなった。以来、職場の健康意識は一段と高まった。病気の早期発見、早期治療につなげるため、健康診断の再検査は必ず受けるよう従業員に呼び掛けている。また、社内や社用車内を禁煙にしている。こうした取り組みが評価され、2022年9月には県の健康経営優良法人に認定された。
中村社長は「少子高齢化が進む中、この先労働力は減っていく」と危惧する。同社では20代から70代まで幅広い年代の従業員24人が働いているが、60歳前後の従業員の数が最も多いという。「今いる従業員に長く健康で働き続けてもらうことが、会社にとって最も有益なこと。今後も取り組みを続けていきたい」と力を込めた。