温泉施設の利用料補助/アプリ活用し歩数競う心と体のリフレッシュ後押し 平鹿自動車学校
「安全運転をする上で、ドライバーの心と体の健康は大切です」。平鹿自動車学校(横手市)の髙橋佳菜子取締役は言う。だからこそ、ドライバーを育てる立場である従業員たちの心身のケアは欠かせない。
従業員は32人。普通自動車から大型車まで全車種の運転免許教習を展開しており、就職や進学を控えた高校生がこぞって教習を受ける冬休みや春休みの時期が繁忙期だ。
従業員の心と体のリフレッシュに役立てようと、2021年1月に導入したのが「特別割引パスポート」。市内の二つの温泉施設「雄川荘」「えがおの丘」でパスポートを提示すれば、施設内の温泉とプール、トレーニング器具などをそろえたスポーツ室が割引料金で利用できる。
同社と、施設の運営会社「リバーサイドヒル」が割引分を負担しており、従業員の家族も割引対象。温泉とプールは大人が300円引き、小学生は無料になる。スポーツ室は通常330円のところ30円で利用できる。髙橋取締役は「雄川荘とは合宿免許教習の宿泊先として提携している縁があり、パスポートを作るきっかけになりました。特に温泉の利用が多く、従業員に喜ばれています」
1カ月の歩数を競う「健康チャレンジ」にも年3回取り組んでいる。大手生命保険会社が企業向けに提供しているサービスで、スマートウォッチで計測された歩数が専用アプリと連動して記録される。同社では5~6人のチームを組み、最も歩数が多かったチームに高級和牛などの賞品を贈呈。社内の個人ランキング上位3人にも賞品があり、参加した全員に500円分のクオカードを配っている。
昨年10月の健康チャレンジで1カ月に41万110歩を記録し、社内の個人ランキング5位に輝いた田口達也営業課長は「アプリにログインすれば他の従業員の歩数を見ることができます。『どうやったらこんなに歩けるの』などと会話をするきっかけになり、歩くモチベーションも高まりますね」と笑う。
髙橋取締役は「過重労働にならないよう、労務管理にも気を配っています。今後も健康経営を大切にしていきたいです」と話した。