体操で農家を元気に/けが防止、疲労回復狙うアグリサイズを推進→→→JA秋田中央会
JA秋田中央会は、農作業の前や後に行うオリジナル体操の普及に力を入れている。農業(Agriculture)と運動(Exercise)を掛け合わせて「アグリサイズ」と呼んでおり、営農農政部の加藤茜さん(30)は「簡単な動きなので、子どもから高齢者まで幅広い世代に浸透させたい」と話す。
農家らの健康と生きがいづくりを支援する「JA健康寿命100歳プロジェクト」の一環で、全国農業協同組合中央会(JA全中)が2021年にアグリサイズを開発。農協共済中伊豆リハビリテーションセンター(静岡県)が協力し、準備体操編と整理体操編の2種類を考案した。
6月中旬、横手市の旭小学校の近くの田んぼで、代かきを兼ねてドッジボールをする恒例行事が催された。ドッジボールをする前に、5年生41人が校庭でアグリサイズ準備体操編を実践。講師の加藤さんが手本を見せた。子どもたちは地元出身のシンガー・ソングライター高橋優さんの楽曲「明日はきっといい日になる」の音楽に合わせ、元気いっぱいに動いた。
準備体操編は農作業前に行うことを想定している。農作業でよく使う筋肉をほぐす狙いで、大きく七つの動きで構成。力士のように四股を踏む動きは股関節を柔らかくするのに役立ち、畝をまたぐ時や収穫物などを持ち上げる時の動作をスムーズにする。加藤さんは「農作業中のけが防止や、慢性的な体の不調の改善につなげてほしい」と話す。
農作業後の疲れた体を癒やすのが整理体操編。血の巡りを良くし、疲労回復を早める効果が期待できるという。寝転んだ状態で膝を抱え込むようにする動きは、中腰やしゃがみ込んで作業をした後の股関節や膝関節の筋肉を伸ばすことができる。
JA秋田中央会は、県内の各JAが主催する行事で農家らにアグリサイズを体験してもらうなどし、体操を広めている。加藤さんは「4拍子であればどんな音楽にも合う体操なので、好きな音楽で楽しんで動いてほしい。無理のない範囲で続けることが大切」と勧めている。
アグリサイズの解説動画は、動画投稿サイト「ユーチューブ」で見ることができる。