管理栄養士が企業で講座/減塩の大切さ伝える▷▷▷健康経営を後押しする湯沢市

2023年12月31日 掲載
減塩をテーマに管理栄養士が講話をした健康講座=2022年10月、秋田エプソン

 湯沢市は2022年度から、働き盛り世代の生活習慣病予防を目的に、市内の企業に出向いて健康講座を開催している。これまで「減塩」をテーマに健康づくりのポイントを伝えてきた。

 市健康対策課の高橋千賀子班長は「湯沢市では40歳以降の男性の肥満率が高い傾向にある。そうした層の健康意識を高めてもらうため、企業に入り込んだ取り組みをしようと考えた」と語る。商工課と連携して企業を訪れ、講座への参加を呼び掛けている。

 講座は約1時間。管理栄養士が40分間講話し、減塩の必要性や減塩の方法などを解説する。続いて「塩分チェックシート」を活用し、参加者に日頃の食生活を振り返ってもらう。チェックシートは漬物などのしょっぱい食品を食べる頻度などを問う内容。食塩摂取量が「多め」「かなり多い」と診断された人は、2カ月間減塩を意識した生活に取り組む。再び同じチェックシートに記入し、どの程度減塩できたか確認する。

 同課の簗瀬千鶴子主幹(管理栄養士)は「おかずの味が濃いとご飯を食べ過ぎてしまい、肥満につながる。塩分を取りすぎると血圧も上がりやすくなる」と話す。講座参加者の食生活の状況などはデータ化し、個人情報に配慮した上で企業に提供している。

 精密機器製造の秋田エプソンでは昨秋、3回に分けて講座を開催した。そうした縁をきっかけに今年9月、同社が独自に開催した社内健康フェアに同課の管理栄養士が出向き、野菜不足の改善をテーマにしたコーナーを設置した。

J―POWERジェネレーションサービスで開いた講座では、カップみそ汁などの塩分を測定した

 企業側からのオファーもあった。発電所の保守事業を手掛けるJ-POWERジェネレーションサービスは、「単身の若い社員向けの生活習慣病予防に取り組みたい」として市に協力を要請。3月に同課が通常とは別メニューで健康講座を開いた。参加者は、市販のカップみそ汁などの塩分を計測器で調べたり、休憩中に座りながらできる運動を実践したりした。

座ってできる運動を実践する講座参加者=22年3月、J―POWERジェネレーションサービス

 簗瀬主幹は「社員の健康あってこその会社経営、元気な企業あってこその湯沢市。今後は企業のニーズに合わせてテーマを柔軟に設定していきたい」と語った。