筋肉や体脂肪の量を計測/体と向き合うきっかけに「体組成測定日」を設定▷▷▷にかほ市
にかほ市は、専用の機械を使った「体組成測定」を推進している。体組成とは、筋肉や脂肪、水分など体を構成する成分のこと。2023年度は市の施設で計20回の「体組成測定日」を設定し、1人4回まで予約制で来場を受け付けた。市民が自分の体と向き合うきっかけになっている。
測定機に乗ると、体に微弱の電流が流れる。得られた電気抵抗の値と、年齢や身長、体重といった情報を総合的に分析し、筋肉量や脂肪量などのデータを算出する仕組み。数分で測定結果が出て、その場で印刷される。
筋肉量と脂肪量は両腕、両脚、腹回りの5部位に分けて算出される。体内の水分やタンパク質、ミネラルの量も分かる。こうした項目ごとのデータに基づき、総合点が数値で示される。筋肉や脂肪の適正量も示されるため、筋力トレーニングや減量の目標にもなる。
3月上旬、23年度最後の体組成測定日には、会場となった市総合福祉交流センター・スマイルに約40人が来場。測定結果に基づき、市職員らが食生活や運動習慣などについて個別に助言した。市健康推進課の須藤遥さんは「健康のために何かしら努力をしている人は多い。測定結果が振るわなくても努力を認め、健康づくりのモチベーションアップにつながるようなアドバイスをすることを心掛けている」と話す。
この日来場した菅原絹子さん(68)は「体組成測定で右脚の筋肉量が少ないことが分かってから、意識して動くようにしている」と話す。金清子さん(75)は「脂肪を減らすために毎日歩くようになってから、どんどん体重が減っていくのが楽しい」と笑った。
地域の自治会館などに出向いて測定会を開くこともできる。3月上旬に上小国地区で行った出前講座では、住民11人が体組成測定をした。参加者は1年前の測定結果と比較しながら、自分の体の変化や健康課題を見つけた。
24年度は6月以降計15回の体組成測定日を設定している。須藤さんは「自分の体を可視化できる体組成測定をきっかけに、健康づくりに自主的に取り組む市民を1人でも増やしたい」と語った。