「健康経営」を合い言葉に/長く一緒に働くために 補助や講座を積極的に導入▷▷▷特別養護老人ホーム 悠西苑
特別養護老人ホーム悠西苑(横手市)は、秋田県版健康経営優良法人に認定された2022年以降、「健康経営」をキーワードにさまざまな取り組みを意欲的に行っている。約40人の職員は夜勤を含むシフト制のため生活が不規則になりがち。施設としても職員の健康意識向上は最大のテーマと位置づけている。
昨年は、がん検診の受診率アップを目的に「がん検診費用全額補助」を導入。胃がん、卵巣がん、子宮頸がんの検診を計6人の職員が受けた。こうした費用補助を気兼ねなく活用してもらうために一人一人への働きかけを今後も継続していく方針だ。
また、行政や専門家を積極的に活用した取り組みにも注目したい。その一つが横手市主催の職場対抗スポーツ大会への参加だ。市内の5チーム(5企業)が参加してボッチャやスリッパ卓球など4種目で競い合う。昨年、悠西苑は約15名の職員が参加し、職員同士のコミュニケーションも心の健康に繋がっている様子だ。
ほかにも、昨年9月には県栄養士会に依頼し生活習慣予防をテーマにした栄養出前講座を開催。減塩、野菜摂取をテーマに、悠西苑で利用者に提供している味噌汁の塩分を測定。健康を意識する時間になった。さらに今年3月には、全国健康保険協会(協会けんぽ)秋田支部の事業で、野村不動産ライフ&スポーツが行う「ダイエットに効果的!お腹引き締めエクササイズ」を開催。運動セミナーは初の試みだったが、参加者からは「これは家でもできる」と好評だった。椅子に座って行うストレッチが効果的で翌日筋肉痛になる方もいたという。
施設長 辻󠄀田誠さんは「心身共に健康で長く勤めてほしい。健康に貢献できることがあれば実現していきたい」と話す。悠西苑は、気軽に血圧や体重を計測できたり、休憩室でバランスボールなどの運動器具で体を動かせたりする職場環境が整う。定期的にアンケートを行うなど働き手の思いを受け止めながら今後も健康経営に力を入れていく。