ジム会費補助で運動習慣/健康優良表彰式の開催警備は体が資本、継続的な運動を働きかけ▶▶▶出羽警備
出羽警備(秋田市)は、「誰かを守るためにまず自らの精神・肉体を万全にする」という信念を掲げ、社員の健康意識向上に努めている。秋田市に本社を構え、東北に7営業所、社員134名の旗振り役となって健康増進に取り組むのは社長の宮田崇志さん。2023年9月に秋田県版健康経営優良法人に認定され、今春、社内の「健康増進部」の取り組みを拡充し、社員に継続的に運動するよう働きかけている。
健康増進部では、社員が契約したスポーツジムやダンス教室などの会費(利用料)のうち月3千円を補助。部員は1カ月に1回以上、SNS(交流サイト)で運動している様子と決められたハッシュタグ(検索目印)を投稿する。これは若年層の社員獲得を意識しており、SNSで企業名や健康増進部の拡散を狙っている。
宮田さんは「警備業は中高年の割合が高い。足腰の筋肉の衰えから転倒事故が起こりやすいといわれる。何歳からでも食事と運動で筋肉は増やせるので、体を鍛えることで警備の質も向上すると思う。例えば、筋肉は水分を蓄えておくことができるため、脱水症状や熱中症になりにくいといえる。『警備は体が資本』を合い言葉に部員を増やしていきたい」と話す。
「精神・肉体を万全に」という信念は、5年ほど前に誕生した。きっかけは宮田さんが健康診断の二次検診を受診する社員が少ないことに危機感を覚えたことだった。また、細身の社員も入社5年ほどすると目に見えて肥満傾向にあることにも気付いたという。健康経営を強く意識するようになり、最初に行ったのが健康優良表彰。これは健康診断の結果がメタボリックシンドローム等に該当せず、社内基準で健康優良と認められた20人を社内表彰し賞状を贈る。これに加えて、年間10時間以上必ず行われる警備員教育研修で、食事の栄養バランスに関する知識やカロリーの計算方法、自宅でできる運動について学ぶ時間を増やした。
こうした取り組みを着実に実践している健康増進部。部員募集は始まったばかりだが、長く働いてもらうために健康経営の考え方を今後も積極的に取り入れていく方針だ。