健康診断受診率100%/薬局の企画運営が鍵地域の健康づくりが自身の健康に▶▶▶ピー・アンド・エス
県内に薬局12店舗を展開するピー・アンド・エス(秋田市)は、「薬局を通して地域の皆さまと一緒に健康を創造していく」という思いから「健康創造空間」を理念に掲げる。在籍する専門スタッフは薬剤師だけでなく管理栄養士、栄養士、ケアマネジャー、医薬品登録販売者などの有資格者がおり、健康に関する幅広い知識が求められる資格「日本健康マスター検定(健検)」の健康マスター・エキスパートを約7割の社員が取得。社員の健康診断受診率は100%ということからも、健康リテラシーの高さがうかがえる。
「薬局が地域の健康寿命の延伸を目的とした取り組みを企画推進することが、社員の健康意識向上につながっている」と話すのは大友進社長。各薬局では地域住民が気軽に立ち寄れる「健康相談会」を実施しており、ラベンダー薬局(秋田市)の場合、麦飯の試食会や体組成測定、歯周病リスクの検査など、健康習慣を見直す取り組みが盛りだくさんだ。
こうした相談会の企画運営は、社員の健康増進の意識向上にもつながっている。栄養士が薬局の垣根を越えて集まる勉強会では、健康食品やサプリメントについての情報交換が行われ、店頭には専門スタッフお墨付きの商品が並ぶ。商品の愛用者は社内にも多く、社員の健康維持に一役買っている。
全国健康保険協会(協会けんぽ)などは、特定検診の結果、メタボリックシンドロームのリスクが高く、生活習慣の改善が必要と判断された人に対し特定保健指導を行っている。同社の薬局は、この特定保健指導の窓口となっており、かかりつけの薬局に限らず、どこの薬局でも食事や栄養バランスに関する具体的な指導を誰でも気軽に受けられるようにしている。食事の作り方は同社ホームページに「栄養士おすすめレシピ」として掲載されており、利用者から「とても参考になる」という声が寄せられている。
同社は「社員とその家族が健康であってこその健康経営」という考えの下、有給休暇の取りやすい社風をつくった。「働く人が元気な薬局」として地域の健康増進を支えている。