チャレンジャーやサポーター育成/近くに集う場所がある町に自治会の活動をサポート▶▶▶小坂町

2024年10月31日 掲載

 小坂町は「多世代型地域包括支援センター」を設置し、全ての町民の健康づくりに取り組んでいる。町の高齢化率は45%に達したが、対象は介護が必要な人にとどまらず、子ども、働き盛り世代、妊婦など幅広い。町内44の自治会と連携し、健康づくり講座やイベントを通じて住民の健康意識を高め、地域全体の健康増進を目指している。

ヘルスはっぴぃチャレンジャー養成塾の様子。町民は何度でも参加することができる

 町が主導する取り組みは「ヘルスはっぴぃチャレンジャー養成塾」。2027年までの10年間で健康づくりに関わる人材を100人養成することを目指す。町民は、町が主催する年5回の講座に参加して健康に関する知識を学び、地域や職場でその知識を広める役割を担う。3回以上参加した人には、オリジナルポロシャツを贈呈。そろいのポロシャツを身につけたヘルスはっぴぃチャンレンジャーが活動拡大に貢献していく計画だ。

お元気くらぶの健康相談会では保健師または看護師が相談に対応している

 住民主体の取り組みの一つが「お元気くらぶ」だ。33自治会で健康相談や体操、健康講話、レクリエーションなどを90分程度行っている。健康相談では、町職員の保健師や看護師が相談に対応。さらに自治会の推薦を受けた住民が「小坂町地域健康づくりサポーター」として活動を支えている。

自治会が運営する「居場所」では体操、ゲームなどが行われる

 また17の自治会が、誰もが気軽に集まれる「居場所」づくりに取り組む。月1回以上、レクリエーションや趣味の活動などを通じて交流を図っている。町福祉課の亀田千鶴さんは「講座や体操に通うこと自体が健康につながる。住民が、家に閉じこもることなく、健康で自立した生活を送れるようにこれからも支援していきたい」と話す。

 多世代型地域包括支援センターを統括する福祉課には保健師、社会福祉士、看護師、介護支援専門員、理学療法士などが在籍している。こうした専門家が住民の健康を支え、高齢者が孤立することなく自立できる町づくりにつなげる方針だ。