チャレンジャーやサポーター育成/近くに集う場所がある町に自治会の活動をサポート▶▶▶小坂町
小坂町は「多世代型地域包括支援センター」を設置し、全ての町民の健康づくりに取り組んでいる。町の高齢化率は45%に達したが、対象は介護が必要な人にとどまらず、子ども、働き盛り世代、妊婦など幅広い。町内44の自治会と連携し、健康づくり講座やイベントを通じて住民の健康意識を高め、地域全体の健康増進を目指している。
町が主導する取り組みは「ヘルスはっぴぃチャレンジャー養成塾」。2027年までの10年間で健康づくりに関わる人材を100人養成することを目指す。町民は、町が主催する年5回の講座に参加して健康に関する知識を学び、地域や職場でその知識を広める役割を担う。3回以上参加した人には、オリジナルポロシャツを贈呈。そろいのポロシャツを身につけたヘルスはっぴぃチャンレンジャーが活動拡大に貢献していく計画だ。
住民主体の取り組みの一つが「お元気くらぶ」だ。33自治会で健康相談や体操、健康講話、レクリエーションなどを90分程度行っている。健康相談では、町職員の保健師や看護師が相談に対応。さらに自治会の推薦を受けた住民が「小坂町地域健康づくりサポーター」として活動を支えている。
また17の自治会が、誰もが気軽に集まれる「居場所」づくりに取り組む。月1回以上、レクリエーションや趣味の活動などを通じて交流を図っている。町福祉課の亀田千鶴さんは「講座や体操に通うこと自体が健康につながる。住民が、家に閉じこもることなく、健康で自立した生活を送れるようにこれからも支援していきたい」と話す。
多世代型地域包括支援センターを統括する福祉課には保健師、社会福祉士、看護師、介護支援専門員、理学療法士などが在籍している。こうした専門家が住民の健康を支え、高齢者が孤立することなく自立できる町づくりにつなげる方針だ。