禁煙、検診 トイレで促す/「標語」考案 児童も一役シールで意識づけ図る能代市
「禁煙貯金、始めませんか?」「今日のおしっこ 何色?」。能代市内の公的施設や民間事業所のトイレで、こんなキャッチコピーを記したシールを見掛ける。用を足したり手を洗ったりする際に目に入り、改めて尿の色を確かめたくなったりする。
シールの作成と配布は市が2017年度、官民でつくる「のしろ健康21推進委員会」と共に始めた。16年度の推進委の会合で「トイレにある標語には、つい目がいく。健康づくりについても、トイレで意識づけしてもらってはどうか」という案が出たことがきっかけだった。
「『トイレから健康づくり情報』発信シール」と銘打ち、17年度は14種類、計1000枚(A5版700枚、A6版300枚)を作成。推進委メンバーに職場のトイレに貼ってもらったほか、パチンコ店、スーパー、運輸会社など民間事業所や市の施設約60カ所に配布した。
キャッチコピーは推進委メンバーや市健康づくり課職員が考えた。尿や便のチェックを促すもの、大腸がん検診を勧めるもの、食生活の見直しや禁煙を呼び掛けるものとさまざまだ。同課によると、市の職員研修に招いた講師が講話の冒頭で「庁舎のトイレの標語、いいですね」と言ってくれたこともあった。
18年度も同じく1000枚を作る。キャッチコピーは市内の小学6年生に考えてもらい、10点前後を活用する予定だ。同課健康企画係長の秋林純さんは「子どもたちから『たばこをやめよう』『がん検診を受けよう』と言われれば、親世代や祖父母世代の健康への関心はさらに高まるのではないか」と期待する。
市は「健康チャレンジポイント」事業も展開中。市民が生活習慣改善の取り組みや健診・検診の受診、健康イベント参加の実績をポイント換算し、地元商業団体発行のポイントカードの点数に加えて買い物などに利用できるようにしている。楽しみながら健康づくりに挑戦できる仕掛けと、シール掲示などによる意識づけを組み合わせることで、健康寿命延伸に結び付けたい考えだ。