独自の塩分表を作製/糖尿病、高血圧予防へ活用 市民に食生活改善促す大館市

2018年11月19日 掲載

大館市の「あいうえお塩分表」(部分)

 大館市は本年度、市民の高血圧予防や糖尿病の重症化予防につなげようと「あいうえお塩分表」を作製した。11月9日には市民を対象とする「健康☆粋いき人財」育成講座の4回目「塩分量を極める」で資料として活用した。

拡大した「塩分表」を使った4回目の講座

 取り組みの背景には、大館市における糖尿病の標準化死亡比(全国100)が男性141、女性154と高いことがある。糖尿病の合併症の1つである糖尿病性腎症の重症化とさまざまな生活習慣病の要因となる高血圧を減塩により予防し、健康寿命の延伸を図る目的だ。

 塩分表はA3判の大きさ。「あじの干物」から五十音順に「ワカメスープ」まで43種の食品・食材について、それぞれ食塩1グラムを含む分量を示した。具体的には▽たくあん漬け4切れ▽梅干し半分▽塩鮭切り身半分▽鶏唐揚げ2個―といった具合。日常的な減塩の取り組みに生かしてもらうには「どの食品・食材をどれだけ減らせばいいのか」を例示するのが分かりやすいというのが、作製した同市福祉部健康課の考え方だ。

「塩分表」に見入る講座参加者たち

 「健康☆粋いき人財」育成講座は、「健康長寿推進員」育成を後押しする県の交付金事業を活用し、本年度スタート。4回目の講座には60代以上を中心に約40人が参加した。

 講師を務めた同課の管理栄養士はまず、要介護状態になる最大の要因である脳卒中などの脳血管疾患につながる高血圧を予防するためには減塩が重要だと説明。塩分の取り過ぎが大腸がんや胃がん、骨粗しょう症にもつながる恐れがあることも紹介した。

講座参加者たちは減塩レシピによる調理も体験した

 参加者たちは、目標とするべき1日の塩分摂取限度量(男性8グラム、女性7グラム、高血圧の人は6グラム)を学んだ後、減塩レシピの「鶏唐揚げのおろし合え」「カボチャのカレーサラダ」やみそ汁などを調理し試食。講師は、塩分表を冷蔵庫に張るなどしていつでも見られるようにし、日常的に減塩に取り組むよう呼び掛けた。

 塩分表は1,000部が印刷された。市の食生活改善推進員らにも配布し地域での啓発に生かすほか、減塩生活をテーマとする出前講座などで活用していくことにしている。