村民、一人ひとりが元気に/楽しみながら、気軽に運動 スポレク広場を開催する東成瀬村レク協
東成瀬村レクリエーション協会(谷藤勉会長)は「一人ひとりが元気になれば、村全体の健康寿命の延伸にもつながる!」と、村民にスポーツレクリエーションの実践を呼び掛けている。毎週土曜日には椿川地区のまるごと自然館でスポレク広場を開催。スポレクは運動が苦手な人も楽しめ、しかも運動効果が高い活動だ。広場では毎回異なるプログラムが用意され、住民がインストラクターの指導を受けながら1時間半ほど体を動かす。
1月12日の広場には40~80代の男女13人が参加。最初にいすに座ったまま、ストレッチで体をほぐした。着座体前屈や、2メートル間隔の障害物をまたいで歩く10メートル歩行、タオル絞りなど「レク式体力チェック」の六つのプログラムにチャレンジ。柔軟性や敏捷性、筋力などをチェックした。その結果、下肢や体幹の筋力、バランス能力の評価が低い人が多いことが判明。転倒の危険が高まるとされることから、村レク協はこれらの体力を維持するためのプログラムも取り入れることにした。
住民たちは笑顔でプログラムに挑戦。参加した高橋祐子さん(63)は「みんなで体を動かすと、気持ちいいし楽しい。ストレッチで雪寄せの筋肉痛も和らぐ気がする」と話した。村レク協は自宅で無理なく気軽にできる簡単な運動「タクスポ」も推奨している。
この日の同じ時間帯、まるごと自然館から5キロほど離れた岩井川地区の村地域交流センターゆるるんでも、地区のスポレクサークルのメンバー8人が集まっていた。参加者はアキレス腱を伸ばすストレッチや、マットの上で体幹を鍛える運動などをじっくりと行った。
村レク協は2017年度、高齢者の心身の健康づくりを目指す日本レクリエーション協会の事業のモデル地区に岩井川を指定。住民たちが月に1、2回、ユニカールや風船うちわラリーなど無理なくできる運動に取り組んだ。週1回以上運動をしていない「スポーツ未実施者」の参加率は85・2%と高かった。
この活動をきっかけに、事業終了後の18年2月、60~70代の住民20人がサークルを結成。現在は毎月第2、第4土曜日に活動している。サークル代表の菊池日出夫さん(77)は「集落の人たちもスポレクで体調が良いようだ。せっかく始めたのだから続けていきたい」と話す。
椿川地区のスポレク広場はスポーツ庁の「健康寿命延伸事業」として実施。2月23日まで8回を予定している。村レク協は岩井川地区同様、事業終了後も自主的なサークル活動として取り組みを残したい考えだ。
村レク協の谷藤会長(66)は「どの部分の体力、能力が落ちるとどういう危険があるのかを知り、そこを意識しながらみんなで楽しく体を動かすのがスポレク。自らの生活の質を保つため、多くの人に取り組んでもらいたい」と語った。