乳がん発見へ検診促す/「自分の命、自分で守ろう」啓発続ける患者団体「あけぼの秋田」
県内の乳がん経験者らでつくる「あけぼの秋田」(秋田市)は、女性のがんの中で最も患者数が多い乳がんの早期発見、早期治療を呼び掛ける啓発活動を続けている。代表の佐藤清子さん(81)は「乳がんは自分で見つけることができる。自己検診と定期検診の徹底を」と訴えている。
今年も「母の日」に合わせた乳がん啓発キャンペーンが5月、大館、秋田、横手の県内3市で行われた。秋田市の県総合保健センターでは、30~70代の20人が無料のマンモグラフィー検診を受けた。
女性たちはチェックシートに自覚症状や既往歴などを記入した後、乳がん検診車「さくら2号」へ。放射線技師による10分程度の撮影を終え、医師の診断を受けた。「毎年定期検診を受けているが、診てもらうとやはり安心」(65歳)、「友人2人と一緒に訪れた。再検査することになったけれど、今の自分の状況を知ることができて良かった」(36歳)などと話した。
その後、あけぼの秋田の会員は秋田大医学部保健学科の学生らの協力を得て、JR秋田駅前でチラシなどを配布しながら乳がん検診の大切さをアピールした。
あけぼの秋田の前身は全国組織「あけぼの会」(東京)の県支部で、1988年に発足。2007年に現在の名称となり、これまで啓発活動や秋田市内における二つの患者ハウスの定期開催、ピンクリボンキャンペーン、学校でのがん教育授業など各種事業を積極的に展開している。
乳がんの早期発見には検診が有効だが、国民生活基礎調査によると本県の2016年の受診率(40~69歳)は46.5%にとどまり、全国平均の44.9%をわずかに上回っている程度だ。
佐藤さんは「私も自己検診でしこりに気付き、43歳の時に右乳房を切除した。おかげで38年たった今もこうして元気にいられる。乳がんは自分で見つけられる。医療にも感謝している」と話す。同時に同じ悩みや苦しみを抱える患者たちに向け、気軽に相談してほしいと呼び掛けている。「あけぼの秋田」事務局はTEL018・824・2750