学んだ運動、「ぜひ家でも」/運動習慣の定着へひと役毎月エアロビ教室を開く羽後町
羽後町は昨年度から、「いっぱいUGOこう(動こう)! 健康づくり」と銘打ったエアロビクス教室を通年で開いている。椅子に座ったままできる運動を含め、無理なく楽しめるメニューを紹介し、運動習慣の定着にひと役買っている。参加する町民同士の交流の場ともなっている。
教室は月1回、町役場に隣接する活性化センターで行われている。参加者募集に対して申し込みが相次ぎ、本年度は30~80代の40人以上が名を連ねた。1年目の昨年度末に行った参加者アンケートでは「みんなと運動するのが楽しみ」などの声が寄せられたという。
来場した参加者はまず町の保健師に血圧を測定してもらい、体調をチェック。講師を務める県エアロビック連盟副理事長の篠原育子さん(湯沢市)の指導を受け、筋力の衰えを防ぐトレーニングに取り組む。篠原さんは「ここに来ていること自体、素晴らしいこと」「心も体もすっきりするような時間にしたいと思います」と参加者に語り掛け、一つ一つの動作の効果を解説しながら教室を進めた。
1時間の教室を終え、昨年度から毎月参加しているという女性(64)は「肩凝りや膝、腰の痛みがなぜ起きるのか、どんな運動をすれば症状が軽くなるかを教われるのでありがたい」と感謝する。「家で1人で続けるのが寂しくなるころに翌月の教室がやって来るので、ちょうどいい」とも語った。
「『面白かった』で終わらせず、頭に残ったメニューだけでいいので、継続して取り組んでほしい」と篠原さん。仲間と一緒に運動の充実感を味わうことができれば、認知症予防にもつながるとも訴える。町福祉保健課の保健師は「教室の参加者のうち半数は自宅でも教わった運動を続けているそうで、健康に対する意識が高まっていると思う」と話す。
町の「健康に関する意識調査」(2014年)によると、ほとんど運動をしていない人の割合は58.5%で、その前の09年調査の61%から2.5ポイント減少。16年策定の「第2次健康うご21計画」は、この数値を25年には45%まで下げるとした。目標達成への取り組みの一つとして、町民、特に男性に運動を促そうと、毎年恒例の「冬季ヘルスアップセミナー」を、本年度は男性限定で開く予定。体を動かす機会の提供や啓発活動を通じ、運動習慣の一層の定着を目指す。