「健口づくり」取り組もう/あいうべ体操で介護予防「かめかめ歯学級」開催の秋田市
食べ物をかんで飲み込んだり、会話を楽しんだりするためには「お口の健康」の維持が欠かせない。秋田市保健所は歯や舌、頰の筋肉など、口の機能の大切さを考えてもらおうと高齢者向けの講座を毎年開催している。その名も「かめかめ歯学級」。自身の歯でおいしく食事を取り、若々しく健康でいられるようにとの願いを込めた命名だ。
2019年度は6月から来年2月まで、ほぼ月1回のペースで8回の講座を開催。歯科衛生士らの講話、お口の体操などが柱。12年度にスタートし、本年度は定員いっぱいの24人が受講している。
8月の本年度第3回講座では、市保健所の歯科衛生士が「口から始める健康長寿」のテーマで講話。口の機能の衰えとして▽かむ力が弱くなる▽食べこぼす▽むせる▽滑舌が悪くなる―などを例示し、「衰えを見逃していないか。ささいな変化も気付くことが大事。それが介護予防につながる」と語った。
口の機能の衰えは食べやすいものばかりを口にする習慣へとつながり、栄養の偏りや体力低下を生じさせることになる。また、会話に消極的になって閉じこもりがちになることもあり、要介護状態になるおそれも。このため講座ではささいな衰えに気づき、積極的に口の機能の維持、向上に努めるよう指導している。
講座で推奨している取り組みの一つが「あいうべ体操」。口を大きく開けてゆっくりと「あーいーうーべー」と発音し、「べー」の時は思い切り舌を伸ばす。初めは1セット10回を1日2セット、慣れれば3セットが目安。口の回りの筋肉を動かし、かむ力を向上させるなどの狙いがある。日常でも食事の際によくかみ、歯磨き前にブクブクうがいをすることも「お口の体操」の一環として勧めている。
受講生の女性(79)は「自宅で毎日あいうべ体操に取り組むようになった。効果に期待している」と語った。
「自分のお口を知ろう」「よくかんで脳を活性化」など講座のテーマは毎回さまざま。健康づくりのため、「健口(けんこう)づくり」に取り組もうと呼び掛けている。