ケチャップ活用、減塩促す/地産地消も加味し提案 県と連携協定を結ぶカゴメ
健康増進に協力したいとして県や県内市町村と連携協定を結ぶ民間企業が増えてきた。ケチャップやジュースなど野菜の加工品を製造・販売するカゴメ(本社名古屋市)もその一つで、昨年8月、食品メーカーとしては初めて県と連携協定を締結。同社商品を活用した献立の提案などを通じ、県民の課題である野菜の摂取増や減塩を促す取り組みを進めている。
秋田市で8月、学校給食の調理担当者らを対象とした講習会が開かれた。講師を務めたのはカゴメ東北支店(仙台市)の周藤(すどう)啓介営業推進課長。県内の食育や地産地消の事業には以前から協力してきたが、協定締結後は講習などの依頼がさらに舞い込むようになったという。この日は、子どもの頃から薄味に慣れる食習慣を身につけるには給食の役割が重要だと強調した。
その上で、リコピンやベータカロテンなどの栄養素は、野菜を生のまま食べて摂取するより、ジュースなどの加工品から取った方が吸収率がアップすることを説明。また、肉じゃがの味付けに使うしょうゆ、豚汁を作る際のみその半量をそれぞれケチャップに置き換えると、肉じゃがで41%、豚汁で38%の減塩になることも紹介した。
これに先立つ今年1月には、秋田市で開かれた高校生おいしく減塩、野菜もとれるレシピコンクールの2次審査会に、カゴメ東北支店の管理栄養士が審査員の1人として参加。同市での食育研修会・地産地消交流会でも、同支店による活動発表や、野菜を多く使ったレシピの紹介・試食が行われた。
食を通じて健康を考える機運は県民の間にも高まっており、周藤課長は「秋田の県民性は真面目なので、(取り組みを)続ければ意識はさらに変わっていく」と期待。「トマトをはじめ野菜の栄養価を広く伝え、秋田県の健康課題の解決に貢献したい」と力を込める。
カゴメ東北支店は、「トマトの日」(全国トマト工業会制定)の10月10日から31日まで県が展開する「秋田をもっと健康に! 秋の健康づくりキャンペーン」にも協賛。簡単なクイズに答えてはがきやSNSで応募すると、同社のトマトジュース8週間分(190ミリリットル入り60缶)が抽選で計5人に贈られる。同様に賞品を提供した春のキャンペーンでは多数の応募があったといい、秋のキャンペーンの反応も注目される。
※キャンペーンについては10日付秋田魁新報の広告で紹介するほか、10日から当ウェブサイトでもご覧いただけます。