健康情報、地域へ発信/高齢者らの関心を喚起「元気カレッジ」を開催するコープあきた

2020年01月31日 掲載
月1回の講座が半年間行われる港北元気カレッジ=1月20日、コープあきた本部

 「感染症予防で手洗いの効果は大きい。流水で15秒間洗っただけで、ハンドソープをつけなくても、ウイルスを100分の1に減らすといわれます」―。大寒の1月20日、秋田市土崎港北の生活協同組合コープあきた(三浦貴裕理事長)の本部会議室では、60~80代の近隣住民26人が、真剣な表情で講話に聞き入っていた。

感染症予防の手洗いの演習に臨む受講者

 コープあきた主催の健康づくり講座「港北元気カレッジ」第4期の4回目。秋田中央保健所の大須賀まみ主任が、インフルエンザやノロウイルスの特徴、予防法などを説明した。手洗いの演習もあり、蛍光物質入りのハンドクリームを塗って洗った後、照明を当てて洗い残しをチェック。「思ったより残っている」と苦笑いする受講者もいた。

 講座は組合員以外も対象とする地域への社会貢献事業の一環で、2018年4月に始めた。半年を1期として、受講者30人を入れ替えながら無料で開講。第1期の募集には約100人の応募があった。平日開催のため高齢者が中心だ。

 コープあきたの伊藤良好理事は「健康寿命の延伸は県民全体に啓発されているテーマ。高齢者が一番欲しいものは健康であり、関心の高さがうかがえた」と語る。

コープあきた土崎店に設置されている健康測定コーナー「健康広場“いこい”」

 講座は月1回。専門家を招き食生活、熱中症、体操、心の健康などを取り上げてきた。本部向かいのコープあきた土崎店には血圧、血管年齢、体脂肪率など15項目を計測できる「健康広場“いこい”」があり、講座の前後に受講者が利用する。「おしゃべりランチ」では、同店の商品より10%減塩した弁当を味わう。

 「年齢とともに健康が心配になって受講した。ノロウイルスにかかったことがあり、感染経路を学んだので予防に努めたい」と佐藤久美子さん(71)=同市土崎港北。鎗目久一さん(86)=同市飯島美砂町=は「血圧が高めなのでチェックしている。講座で学んだことは、できることから実践している」と話す。

健康広場で血圧などを測る受講者

 コープあきたでは、茨島店にも健康測定コーナーを設置。店舗を含む全事業所を敷地内禁煙としている。講座に関連して、受講者が隣の保育施設の園児と鉢植え作業を行っており、今後も交流活動を考えているという。

  伊藤理事は「人が健康で明るければ、地域も明るくなる。講座の内容が受講者の家族や多くの住民に広がってくれれば」と期待している。