「健やかに美しく」を提唱/心身の元気増進へ多彩な講座県や仙北市と連携協定を結ぶポーラ秋田ゾーン
化粧品メーカーのポーラ(本社東京)が秋田県と幅広い分野での包括連携協定を結んだのは2017年11月のこと。協定で同社は、女性の活躍と就業の支援に加え、健康寿命や美肌の日本一を目指す取り組みなどに協力するとした。翌18年5月には仙北市と「健康・美のためのヘルスケア連携協定」も結んだ。
協定に基づく活動を実践しているのが同社の東北エリア秋田ゾーン(旧秋田センター)だ。18年5月には秋田ゾーン管内の店舗のスタッフら50人が、NPO法人「日本成人病予防協会」が認定する健康管理士の資格を取得。秋田ゾーンの統括リーダーを務める石岡卓子さんは「美と健康について話をする上で、知識を備えていることの証しとなる資格があれば、より説得力が増すので」と話す。
協定締結に先立ち、「ねんりんピック秋田2017」で参加者のハンドトリートメントをするブースに出展したほか、締結後は、睡眠や運動を含む体調管理について指導したり、みその醸造元の経営者や健康食品として注目されるキクイモの栽培農家から話を聞いたりするワークショップを催し、来場者の好評を博した。「温泉ソムリエ」から温泉の効能を教わる「美肌講座」や、東日本大震災で被災し県内で暮らす人たちを対象とした健康教室も開いている。
店舗によっては協定を結ぶ前から、美と健康に関する取り組みを行ってきたオーナーもいる。20年以上、施設に入所する高齢者に化粧をする活動をしてきたオーナーからは「協定を結んだことで住民を元気にする取り組みに弾みがつく」と感謝されたという。「協定締結を歓迎する声が予想以上に多かった。スタッフが一層誇りを持って働けるようになっている」と石岡さんは語る。
昨年秋には心を潤す多世代交流の取り組みとして、県内のポーラの店舗を活用し、「まちかどコミュニティサロン『花々』プロジェクト」を開始。1級フラワー装飾技能士でつくる「花マイスター秋田会」やNPO法人「秋田県花いっぱい運動の会」と協働し、地域住民にフラワーアレンジメントを楽しんでもらっている。参加者はもちろん、人々が住む地域自体を生き生きとしたものにする役目も担っている。
最近の報道で男性の6割が外見を良くし、若さを保つことに関心があるとの調査結果が伝えられたこともあって、今後は男性への啓発にも力を入れたいという。年齢や性別にかかわらず「健やかに美しく」を提唱することで、心身の元気の維持と増進に貢献していく考えだ。