運動の機会「待ってました」/2年目事業、3密避け実践インターバル速歩など推進中の八郎潟町
新型コロナウイルスの感染拡大により、県内では今春、健康づくりに関するイベントの多くが中止や延期を余儀なくされた。こうした中、八郎潟町は本県の緊急事態宣言が解除された5月14日以降、感染防止策を講じて本年度の取り組みを開始。運動不足の解消や体づくりをしたいと考える町民から喜ばれている。
宣言解除の翌週から始めたのは、町として普及に力を入れる「インターバル速歩」の普及活動。ゆっくり歩きと速歩を3分間ずつ交互に繰り返すウオーキング法だ。町民を対象とした体験会を月2回のペースで開催するほか、年間10回の講習会を通じて実践者を育成する活動に20人が参加している。
感染予防のため、参加者に受付で体調と体温を申告してもらうほか、手指の消毒も徹底。ストレッチや休憩中はマスク着用とし、歩く際にマスクを外す場合は、周囲の人と十分に距離を取るよう呼び掛けている。
体験会ではインストラクターの町職員が参加者に、大きな歩幅で腕を大きく振る歩き方や、歩く前後に行うストレッチ法を伝える。外出自粛中から体験会を楽しみにしていた町民は多く、「ようやく体を動かせる」「ずっと待っていた」などの声が聞かれたという。町保健課の石井文香主任は「夏場はマスク着用による熱中症が心配。参加者の様子をいつも以上に注意して見ている」と話す。
インターバル速歩の普及活動は本年度が2年目。昨年度の体験会は、各回20人ほどの参加だったが、今年は30人を超えることもある。体験会をきっかけに町民が誘い合わせて速歩に取り組む姿も見られるという。
町は屋外で取り組める速歩の普及を進める一方、「3密(密閉、密集、密接)」を避けるため6月の集団検診の実施を見合わせた。その分、保健師や管理栄養士による「食と健康の相談日」の個別相談で健康づくりを呼び掛けている。
また、体験会や相談などの利用に応じてポイントが付与され、買い物券などと交換できる「健康ポイント事業」についても、本年度は一部の内容を見直した。ラジオ体操や食生活改善などを自宅で実践してもらい、その日数を自己申告するとポイントが与えられるようにした。
渋谷貴子課長補佐は「町民一人一人に健康づくりを働き掛けることの大切さをこれまで以上に感じている。感染対策は試行錯誤の連続だが、楽しんでもらえるよう工夫していきたい」と話した。