健康経営普及へ、企業向けセミナー開催/優良法人認定をサポート県と包括連携協定を結んだ東京海上日動火災保険秋田支店
東京海上日動火災保険は、今年7月に秋田県と地方創生などに関する包括連携協定を結び、産業振興や地域活性化に取り組んでいる。産業振興に関する連携事項の一つが「健康経営認定制度の普及促進」。11月上旬には、同社と県がこれに基づき「『健康経営優良法人』認定実践セミナー」を秋田市で共催。ウェブ中継の聴講者も含め、健康経営に関心のある県内経営者ら計約70人が参加した。
セミナーでは同社地方創生・健康経営室の土田晋也室長が講師を務めた。土田室長は、経済産業省が普及を進める「健康経営優良法人認定制度」について解説。企業が認定を受けるメリットとして、社員の定着や採用への効果、企業のイメージアップ、生産性の向上などを挙げた。働き方改革や福利厚生の充実を進めている企業の中には、既に複数の認定要件を満たしている所も多いとし、「ウィズコロナの時代は社員の感染対策が重視され、健康経営はますます重要になってくる。経営戦略の一つとして取り組んでもらいたい」と呼び掛けた。
続いて国と県の健康経営優良法人に認定された県内企業による事例発表も行われ、建設業の和賀組(湯沢市)が健康診断と二次検診の受診促進の取り組みなどを紹介した。
東京海上の持ち株会社である東京海上ホールディングスは2016年から5年連続で東京証券取引所の健康経営銘柄に選定されている。東京海上も18年から社内に健康経営の専門部署を設けて普及促進に力を入れており、県内での活動はこの一環。日本健康生活推進協会が認定する「健康マスター」の資格を保有する社員も多く、中でも普及認定講師資格を持つ社員は、顧客らの求めに応じ、健康講座などを開いている。
健康づくりの意識を高める活動は、秋田支店の従業員向けにも行われている。10、11月を健康増進月間とし、従業員はこの期間中、「禁煙」「禁酒」「よく歩く」などの目標を決め、実践状況を各自で毎日記録しながら健康づくりに取り組んだ。また、毎日始業時に行うラジオ体操では、全国各地の社員が体操する映像に合わせて体操を行い、従業員のモチベーションを高めている。
秋田支店で地方創生・健康経営の責任者を務める原寛文営業課長は「県内企業の皆さまが健康で安定した事業活動を行うことができれば、地域が活性化して地方創生につながります。健康経営は地方創生と関係が深いため、県内企業をしっかり支援していきます」と話した。