広めよう、「円熟健康運動」/総合型クラブを通じ普及員養成体を動かす習慣づくりを促す県スポーツ協会
県スポーツ協会(今年4月に県体育協会から改称)は、幅広い年代が実践できる「円熟健康運動」の普及に努めている。県内の総合型地域スポーツクラブの指導者らを対象として普及員養成講習会を開いており、受講者を通じてこの運動を各地域で広めたい考え。新型コロナウイルス感染の状況を考慮して20年は講習会を開けなかったが、今年は再開。感染対策を講じて6月から開催している。
円熟健康運動は、県スポーツ科学センターが県立大の研究者の監修を得て開発した「円熟体操」がベースとなっている。講習会は県内各クラブが加盟する「県総合型地域スポーツクラブ連絡協議会」に委託して実施しており、円熟体操のストレッチ、筋力トレーニング、有酸素運動(スローエアロビック)のメニューに加え、「脳トレ」についても紹介している。
講習会に参加する各クラブの指導者らは、A講習(脳トレ、ストレッチ)、B講習(筋トレ、有酸素運動)各1回を受講すると普及員証が交付される。県スポーツ協会は22年までに県内70クラブ各2人、計140人に受講してもらいたいとしている。
講習会を始めた19年は22クラブの38人が受講。その一人で、あいあいクラブたかのす(北秋田市)の石川仁司クラブマネジャーは「高齢者を中心としたレクリエーションに円熟健康運動も取り入れている」と話す。連絡協議会の会長でもあるチャレンジスポーツクラブいなかわ(湯沢市)の村上聖子会長兼クラブマネジャーは「(講習で学んだことを)地域に持ち帰って普及するようお願いしたい」と述べた。
6月26日に大館市、7月17日に秋田市で開かれた講習会(A講習)では、県スポーツ科学センターの職員が、健康運動の実践により、加齢に伴う身体機能減退の予防が期待されるなどと座学で説明。続いて実技に移り、受講者は座ったままできる脳トレやストレッチを学んだ。今後は8月にA講習1回、8~9月にB講習を3回行う。
円熟健康運動の普及は、県が目指す「健康寿命日本一」の達成に向けた県スポーツ協会の健康宣言に基づく試み。宣言は「スポーツや運動の習慣化に取り組む」という内容だ。飯坂尚登事務局長は「近くのクラブでこの運動を学んで習慣にすることで、生活習慣病の予防や改善、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)のリスク低減につながり、健康寿命延伸の一翼を担える」と話す。「誰もが、いつでも、どこでも体を動かせる環境づくり」の一環として、地道に浸透を図る。