自分の臭いをチェックしよう

2018年09月26日 公開

 

 「夫が臭いんです。臭くて臭くて嫌なの」

 60歳の上品な雰囲気の女性が眉をひそめておっしゃるには、嘱託として勤務している64歳の夫が臭いという。まるで古本か蝋(ろう)のような臭いがして、夫の洗濯物を干すときにも臭いで嫌になるといいます。

 「穏やかで真面目な夫ですし、臭い以外は何も不満はないんですけどねえ」

 男性にとっては、スーツ姿で働けば襟元や腰に汗をかくのは当然のことだし、いわゆる加齢臭は男だけでなく女にもあるだろうと思いますし、現状で離婚を考えているわけでもない奥様の不満はたいしたことではないと感じられるかもしれません。

 しかし、たかが臭い、されど臭いです。

 穏やかだったはずの夫婦関係に溝が入る原因のひとつに、妻から夫への「生理的嫌悪感」があります。それは、過去の夫の浮気や横暴な態度に対して嫌悪感を覚えることもありますが、意外にも臭いに対する嫌悪感はかなり大きなものです。

 女性は男性に比べて嗅覚が鋭いため、体臭・口臭といった臭いが原因で、夫を生理的に受けつけなくなるという女性は案外多いと思ってくださいね。

 自分で自分の臭いは分からないからどうしようもないよという方は、簡単なチェックをしてみましょう。体臭は洋服を脱いで臭いをかいでみれば自分でもチェックできますが、分かりづらいのが口臭です。そこで、自分の腕をなめて10秒後の臭いがそのまま息の臭いだと認めていただくとわかりやすいと思います。

 男性に清潔感を求めるのは妻だけではありません。職場の女性も、ご近所の奥様方も、社会貢献仲間の若い女性たちも同じです。自身の臭いに気を配る男性はいろんな場面で好感を持たれます。自分の臭いを気にする男性は、自身を客観視できるだけでなく、近くにいる相手への配慮ができる人でもあるからです。

 欧米紳士のようにいつも香水を身にまとうことは必要ありません。臭いが発生する、頭・耳の後ろ・首・脇をゆっくり丁寧に洗うだけでも臭いは軽減しますし、野菜中心の食生活に変えたり、喫煙者はタバコの本数を減らす。少し気をつけるだけで臭いが少なくなるだけでなく、そのまま健康にもつながることです。ぜひご自身の臭いに気を配って、モテる中高年男子になってくださいね。

池内ひろ美(いけうち・ひろみ)
家族問題評論家、八洲(やしま)学園大学教授
岡山市生まれ。恋愛や結婚・離婚、親子関係などのコンサルティングから、作家、女優、大学教授など幅広い分野で活躍。コンサルティングでは、これまで3万7千件以上の相談に応じている。さらに、メディア出演や執筆活動、Girl Power代表理事などの職務を通して、世の中への情報発信や啓蒙活動も行っている。