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取組・体験記・コラム

楽々ウオーキングで鉱山跡見学

2023年06月30日
キラキラ輝く銅鉱脈に感動
坑道内にはまだ至る所に銅鉱脈が。ライトを当てるとキラキラ輝きます

 最近、忙しすぎて何をするのも面倒くさい。気がつけば、休みの日は家でゴロゴロ。遊びにも出ていなかった。せっかくならプチ旅行気分を味わいながら心も体もリフレッシュしたい! そこで今回は、1300年の歴史がある国内最大級の鉱山採掘跡「史跡尾去沢鉱山」(鹿角市)を訪ねてみることに。ゆっくり歩きながら鉱山内の坑道を見学できるほか、純金砂金採りなどさまざまな体験もできるみたい。楽しみ~!!

 この日は、史跡尾去沢鉱山の小田切健太郎さんが案内役を務めてくれた。「ここの鉱山は西暦708年に発見され、奈良時代に採掘された金は奈良・東大寺の大仏にも使われたと言われています。昭和53年に閉山するまでにたくさんの銅も採掘され、人々の生活を支えてきたんですよ」と小田切さん。坑道の総延長は約800キロにも上るとか。「そんな長さがあったのか!?」と規模の大きさに驚く。

実際に使われた削岩機を見学できるスポットも。周囲の壁に空いた穴は、試し掘りをした跡

 坑道見学(大人千円)は、手掘り跡や大規模採掘跡などを見ることができる1・1キロの標準コースと、かつての坑内事務所や休憩所のにぎわいを感じることができる1・7キロの特別コースがある。小田切さんからは、標準コースをじっくりと案内してもらうことに。早速、坑道内に入ると中はひんやり。通年12~13度に保たれているため、真夏でも上着はあったほうがよさそう。

ライトアップされ、幻想的な雰囲気の「大規模採掘跡」

 探検家気分で薄暗い岩盤のトンネルを進むとまずは、「銅鉱脈」と記した看板が目に入る。小田切さんが懐中電灯で鉱脈部分を照らすと、キラキラと輝いてとてもきれい。昔は電線の材料などに使われていたという。

 さらに進むと、ライトアップされたミュージアムのような雰囲気の「大規模採掘跡」に到着。天井の上に続く大きな空洞に圧倒される。鉱石は岩層に沿って上下に伸びているため、下の坑道から鉱脈に沿って上向きに採掘する手法が使われており、その名残を見ることができるエリア。「実は尾去沢鉱山には高さ30メートルの坑道が15段あって、見学コースがあるのは10段目の一部なんですよ」と小田切さん。同じような坑道が下に9段もあるなんて、それもまたびっくり。

江戸時代まで行われていた過酷な手掘り作業。掘った距離は100キロにも及ぶ

 この後も人形を使って当時の運搬設備や敷地内にあった奉行所を再現するコーナーや、手掘り採掘跡などを見学。明治以降は機械と火薬を使って坑道を掘っていたが、それ以前はコンクリートの数倍硬いとされる岩盤を手掘りで1日1人10センチ進むほどだったとか。昔の人たちの過酷な作業を実感しながら出口へ向かった。

目指せ!一獲千金「純金砂金採り体験」
敷地内では純金砂金採り体験も楽しめる。マッキー、一獲千金となったか!?

 最後はお楽しみの「純金砂金採り体験」(高校生以上850円)に挑戦。制限時間は30分。専用の皿で水中の砂をさらい、ゆすりながら余計な砂を落として金を見つける。金は上手な人だと30個、普通でも2、3個は取れるそう。なんと言っても純金! そして私には小田切さんという強力な先生が横にいる。気合十分で一獲千金を狙い作業に当たるが、何度やっても光るものが見当たらない。しまいには小田切さんに「マッキーさん、欲張りすぎて皿に砂を取り過ぎだ」と言われる始末。制限時間ギリギリ、最後の勝負で慎重に皿を回すように動かすと、キラリと黄金に輝く粒が。やったー!!何とも言えない達成感。ゲットした純金一粒は、大事にびんに入れてお土産として持ち帰った。

 約1時間かけ鉱山跡見学を楽しみながらのウオーキングに、テンション上がりまくりの純金砂金採り体験。心も体も喜ぶプチ旅行を満喫した一日となった。これから暑くなる時期。ぜひ、上着を持って涼みに出かけてみて。

▼史跡尾去沢鉱山問い合わせ=0186・22・0123