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取組・体験記・コラム

心も体も充実、ボランティア活動

2018年10月10日
BB秋田ホームゲーム運営をお手伝い

 今回は、今年3月に県がまとめた「健康いきいきアクションプラン」の中にあるボランティアに挑戦しようと決心した私。やっぱり生きがいづくり(積極的な社会参加)って、健康寿命の延伸には大切だしね! 早速、秋田市社会福祉協議会のホームページをのぞいて見ると、サッカーJ3・ブラウブリッツ秋田(BB秋田)ホームゲームボランティアスタッフ募集が目に止まった。

 BB秋田は昨シーズン、J3で初優勝を果たし県民に勇気と元気を与えてくれた。今年9月末には、念願のJ2ライセンスを取得。今季2位以内に入ればJ2に自動的に昇格できることも決まり、選手たちは必死のプレーでファンに夢の舞台へチャレンジし続ける姿を見せている。「あー、J2に上がる瞬間を取材してみたい!!」と、かつてスポーツ記者だった血が騒ぐ。でも、秋田のプロスポーツチームの試合を見るだけでなく、スタッフとして「支える」のもありかも。しかもカッコいい選手たちと知り合いになれたりして! ちょっぴり不純な動機も胸に秘め、9月に秋田市の八橋陸上競技場で行われたホームゲームのボランティアスタッフに申し込んでみた。

競技場の開場前に、BB秋田関係者からお客さんへの対応など説明を受けるボランティアスタッフ。ボランティアは全員黄色のビブスを着用

 当日は、スタッフミーティングが行われる午前9時前まで現地集合。午後1時過ぎからゲーム開始なのに、競技場周辺にはおいしい食べ物を提供する屋台などがずらりと並び、朝から多くの人でにぎわっていた。受付でボランティア用の黄色いビブスと帽子を受け取り、スタッフ用の控室へ向かうと、そこには20代から70代の一般の方に加え、高校生など学生ボランティアの姿が。全体で約70人がボランティアに関わっているという。初のボランティア体験に緊張していると、ミーティングにいきなりの大物が登場! BB秋田の岩瀬浩介社長(37)のあいさつでテンションが上がる。次に「お客さまを元気なあいさつと笑顔で迎える」「選手に声を掛けたりしない」―などボランティアを行うに当たって注意事項の説明を受けた。分かっていたけど、すてきなサッカー選手と簡単に知り合いになるのは難しいのね(涙)。

会場では屋台の出店も。午前中から大勢の人でにぎわっていました

 
笑顔で対応のはずが、いつの間にか真顔に

 ボランティアの仕事は総合案内や、入場者整理、記録係、遊具コーナーなど。さまざまな種類がある中で、私は競技場バックゲートの入場者整理の担当となった。ミーティング後、現場に移動し同じ持ち場の女子高生たちと一緒に案内板や机、配布物の設置に汗を流す。そうこうしているうち、あっという間に開場時間の午前11時。この日は午前中から同競技場で小学生のサッカー県大会開会式が行われていた。サッカー少年と保護者が大勢訪れており、すでにバックゲートの入り口に行列が。一人一人の入場チケットを確認しながら、時には配布物を配り、同時に禁止となっている缶や瓶の飲料を持ち込んでいないかチェック。これが結構持ち込む人が多く、中身をコップに移し替えてもらう作業に手間取ることもあった。最初は笑顔を心掛けていたが、あまりの忙しさに我に返ると真顔になっていた私。「機嫌悪そうなおばさんいるなー」と思ったサッカー少年、ごめんよー!

続々と入場するお客さんのチケットをチェックしながら、配布物を配る。結構忙しい

 会場全体の片付けが終了する午後4時までほとんど立ちっぱなし。終盤は足の指の付け根が痛くなるなど、結構ハードだったボランティア活動だが、一方で心がほっこりした場面も。選手たちがナイスプレーをする度に約3500人の観衆がどよめく声が響き、試合の臨場感が伝わってくる。スタッフと交代しながら取ったお弁当タイムでは、控室がピッチの目の前だったため、プロの白熱プレーを〝特等席〟で観戦することができた。さらに後片付け中には、選手やサポーターから「お疲れ様です」と優しい言葉も掛けてもらった。BB秋田が発足した2010年からボランティアを続け、熱心なサポーターでもある佐藤園美さん(46)=秋田市=は「年齢や性別、職業も関係なくいろんな人と一緒にイベントを作り上げることが楽しい。ボランティアを通じてたくさんの仲間もできたし、長く仕事をしていると、選手たちに自分の顔を覚えてもらえますよ」と話す。

長年、秋田BBのボランティアを続けている佐藤さん(右)はこの日、ブラウゴンのアテンド係を担当。「いつも、おもてなしの心を大事にしています」と話していました

 今季のBB秋田は計34試合。このうちホームゲームは16試合だが、ボランティアの数はまだまだ足りていない状況という。同チームの広報は「運営側はスポットライトを浴びることはありませんが、裏方のスタッフがいないとJリーグの試合は成立しません。スポーツを『観る・する』という楽しみ方のほかに『支える』という楽しみ方を加えてもらい、BB秋田のJ2昇格を一緒に目指しましょう」とボランティア協力を訴えている。

 今回の体験取材で、ボランティアは善意の心がなければ続かないと思った。同時にBB秋田の奮闘を支えている一つにボランティアの活躍があることを実感、心も体も充実した一日となった。皆さんも興味のあるボランティアに参加してみませんか?

▼ブラウブリッツ秋田
ボランティア問い合わせ=018・874・9777

ピッチでは選手たちの迫力プレーが展開されていた。ボランティアしながら見られることもあるかも!?