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取組・体験記・コラム

大人だってスケートしたい!目指すは華麗なジャンプ

2018年12月13日
楽しく安全に滑るには、基本動作が大事

 師走に入り、いよいよ秋田にも冬将軍が到来した。この時期になるとテレビ画面をにぎわせているのが、五輪連覇を達成したフィギュアスケート界の王子様・羽生結弦選手(25)や抜群のスタイルと美貌で人気を集めるロシアのアリーナ・ザギトワ選手(16)をはじめとするフィギュアスケーターたち。そういえば子どもの頃、華やかな衣装のスケート選手に憧れたときもあったっけ。しかし、県南育ちの私。スキーは得意だが、スケート経験はほとんどゼロ。自己流で滑ったら、きっと転んで骨折する。でも、滑ってみたい!! 調べてみると、県立スケート場で初心者向けの個人レッスン教室(1時間2500円※滑走料、貸靴料別)があるみたい。大人になってからスケートを始めてもいいよね。よし、華麗なジャンプを決めるぞ!

秋田県民にはおなじみ、白いドーム型が印象的な県立スケート場。かつて、夏季はプールとして営業していたそう。場内も広々

 個人レッスン当日、真っ白いドーム型のスケート場を目の前に、何だかワクワク。1週333.3メートル。1971年のオープン当初は「東洋一」、今でも東北最大級という歴史ある本格的屋内スケート場だ。着ぶくれのおばさん感は否めないが、帽子に手袋、上下の防寒着に長めの靴下と、事前に言われていた寒さ対策をバッチリ決めた服装で入場。受付で手続きをしていると、平日にも関わらず場内には子どもたちの元気な声が響く。レッスン講師で県総合公社スタッフの鎌田亜矢子さん(41)が「県内各地の学校から毎日のように子どもたちがスケート教室で来るんです」と教えてくれた。

スケート靴はひもを緩めると履きやすい

 いよいよレッスンスタート。まずは、簡単な流れの説明や注意を受ける。「楽しく安全にスケートをするためには、基本の動きを知っておくことが必要です。テレビで見て、簡単にジャンプができると思っている人が少なくないですが、特に大人になってから始めた人はよほど練習しない限りジャンプはまず無理です。今日は基本動作だけですが、次の日はきっと体全体が筋肉痛になりますよ」と鎌田さん。いきなりトリプルアクセルの夢は打ち砕かれたが、気を取り直してスケート靴の履き方を教わる。足が痛くない程度のジャストサイズを選び、靴ひもを十分に緩めて足を入れる。ひもを締める際は足首部分を一番きつくするのがポイントだそう。何とか履き終え、立ってみると思ったよりもぐらつく。よく考えたらスケート靴の刃(ブレード)の太さって約4ミリしかない。ジャンプなんてしたら、足首折れるわ!

初心者は陸上で足踏みをして、スケート靴の感覚をつかんでから滑ろう

 不安げな表情の私に「最初は陸の上で足踏みしましょう」とやさしく声を掛けてくれた鎌田さん。足踏みをすると、何となくバランスの取り方が分かってきた。次はリンクへ出る練習。実は一般の人がけがをする理由の一つが、リンクへ出る際の転倒。手すりにつかまり、さらに手すりに平行になるようリンクの上に片足ずつ足を置くと、問題なく立てた。ここから氷上での練習開始。かかとを付け、つま先を開いた形の足踏み、歩行などをレッスン。慣れてきたところで踏み出した足に体重を乗せると、すっーと自然に前進滑走ができるようになった。お、何だか風が気持ちいいぞ! 続けて左右に曲がるところまで練習したところで、あっという間にレッスン終了。最後にリンクを1週したときは、足の裏が「おめの体重重すぎ」と悲鳴を上げていたが、「もっと滑りたい」と思うほど楽しい時間を過ごせた。

氷上で基本練習を繰り返す。なめらかに前進滑走ができると気持ちいい!次の日、内ももがしっかり筋肉痛になりました

 
運動神経関係なし! 体引き締めたい人にお勧め

 同スケート場では、さまざまなレベルに応じてスケート教室を開いており、子どもだけでなく大人になってからも「本格的に習いたい」という人がじわじわ増えているという。実は鎌田さんも31歳からスケートを習い始めた。「今の職場で働くようになって、子どもたちがスイスイと滑る姿を見て、自分も滑れるようになりたいと思いました。最初は愛好家の方に教えてもらい、2010年に日本スケート連盟の基礎スケート準指導員、その後指導員の資格を取りました」と鎌田さん。さらに「私の感覚では、スケートに運動神経やスポーツ歴は関係ない。全身運動になるので、体を引き締めたい人はぜひ挑戦してほしいです」と勧める。

最後に本格的なスケーティングを披露してくれた講師の鎌田さん。かっこいい!

 1974年に20万3496人のシーズン最高入場者数を記録した同スケート場は、レジャーの多様化などの影響もあり、近年は入場者数が減少。定期的なイベント開催や、子どもたちがそりで遊べるスノーパーク(入場無料)などを整備し、集客を図っているが、昨シーズンは5万9169人にとどまっている。雪や風などの天候に左右されない室内、値段も手頃で気軽に運動が楽しめる。しかも、秋田の中心部にあるのに―。私を含め、なんてもったいないごどしてるなや、秋田県民! スキーもいいけど、今季の冬は家族や仲間でスケートしてみませんか?

スケート場の貸し靴は2000足以上。15センチから32センチまで対応できるという

▼県立スケート場やスケート教室に関する問い合わせ
向浜スポーツゾーン総合事務所 TEL018-895-5056

▼イベント情報
▽12月24日=クリスマス・フェスティバル(無料初心者教室、ホッケーシュート体験、氷上お菓子釣り堀、ザンボそりなど)