文字サイズ
メニュー
取組・体験記・コラム

超楽しい!!雄大な雪山をスノーモービルで疾走

2019年02月14日
免許不要、小学生から体験OK

 スキー場などでよく見かけるスノーモービル。迫力あるエンジン音を響かせ、雪上を自在に走行する姿に憧れを抱いたことがある人も少なくないのではないだろうか。「雪煙をあげてさっそうと運転できたら、どんなに気持ちいいだろう」。そんなことを考えていたら、知り合いが「秋田でも、やれるどごろあるや」と教えてくれた。さらに「スノーモービルだば、公道を走るわけでないがら免許もいらねしな」だって! せっかく雪国・秋田に住んでいるのに、ぬくぬくした屋内にばかりいてブクブクの自分に反省。よし、2月の体験記は冬のモータースポーツに挑戦だ!

運良く晴れた日には、雄大な鳥海山が見られるそう。インスタ映え間違いなし!

 スノーモービル体験ができるのは、由利本荘市にある「鳥海高原南由利原スノーモビルランド」。雪のない時期はキャンプ場やサイクリングロードとして利用されている場所だが、冬場の観光資源としても活用しようと1990年にオープンしたという。同ランドでは、小学生以上であれば乗車可能。初心者からベテランまで誰でも気軽に楽しめるよう、専門知識を持ったインストラクターが常駐し、レベルに合わせて丁寧に指導してくれる。スノーモービルで遊ぶために整備された専門の場所は全国的にも珍しいため、リーピーターを含め県内外から体験希望者が足を運んでいるほか、近年は台湾から大勢のツアー客が訪れる人気スポットになっているそう。調べてみると、料金は1キロコース(320円)、2キロコース(640円)、10キロコース(3150円)※全て税込。「や、安い! でも今年は超暖冬。雪はあるんだべが…」。おそるおそる予約の電話を入れると「1メートル以上あるので問題ありませんよ」との返事。白銀に染まった大自然を満喫しながらスノーモービルを乗りこなす自分の姿を想像するだけで、遠足が待ち遠しい子どものような気分になった。

まずはスノーモービルの乗り方やエンジンのかけ方を教わる。ちゃんと運転できるか心配

 体験当日は曇り空で、コースは雪が固く締まった状態。出迎えてくれたインストラクターの工藤良弘さん(64)によると、新雪だとふわふわした感覚を味わえて面白いが、初心者は固めのコースが走りやすいという。太陽もまぶしくないし、これって私には絶好のコンディションじゃん!! まずは、この日の“相棒”、真っ赤なボディーが雪に映えそうな250CCのスノーモービルにまたがり、工藤さんからマシンが並ぶ車庫内でアクセルやブレーキの操作、乗車中の体重のかけ方などの説明を受けた。エンジンをかけてみると「ブォーン」とバイクのような迫力ある音が響き、テンションが上がる。レンタルしたヘルメット(無料)をかぶり発進。最初は、車庫前にある初心者コースの広場での練習走行だが、アクセルは右手親指で簡単に操作できることもあり、意外とスピードが出る。「すんげえ楽しい!」と思ったのもつかの間、両手に力を入れて握らないとハンドルが雪に取られそうになる。ベテランになれば50キロ~100キロ近くも出すそうだが、工藤さんからは「スピードを出しすぎずに乗りこなすことも大切」とアドバイスをもらった。

先導のインストラクターと一定の車間距離を空けながら起伏のある山林の道を進む

絶景の中、モータースポーツの魅力を満喫

 練習を終え、さあ本番。片道5キロ、約1時間かかるツーリングコースに出発だ。時速20キロほどで雪で覆われた上り下りのある山林を走る。インストラクターの加藤秀博さん(60)と工藤さんが自分を挟むように走行してくれたため、何かあっても安心だ。見通しの良い道をグングン進むと、景色が変わり林の中に入る。ハンドルを雪に取られないよう気が抜けない運転ではあったが、スノーモービルがやっと一台通れそうな狭い道や、片側が斜面の道、起伏がある道など、変化に富んだコースを走りきった後はゲームを攻略するような達成感があった。さらに普段はなかなか見ることができない雪山の絶景や、カモシカやキツネなど動物たちのかわいらしい足跡には感動の連続。そしてツーリングコース最大のお楽しみが、片道5キロの到着地で体験できる約10分間のフリータイム。雪化粧で広大なゲレンデに変身した牧草地に、何十メートルもの高さがある巨大な風力発電の風車が目の前にずらりと並ぶ圧巻の光景の中、他の参加者たちと一緒に気持ちよい風を感じながら夢中でスノーモービルを走らせた。

ツーリングコースの一番のお楽しみ! 巨大な風力発電の風車を眺めながら、白銀のゲレンデとなった広大な牧草地でスノーモービルを疾走させる

冷たい風も気持ちよく感じるほど楽しい!! さっそうとスノーモービルを乗りこなすマッキー

 体験を終え印象に残った一つが、スタッフの皆さんの心配り。前を走る加藤さんがずっと、ペースを気にしながら先導してくれたため、初心者の自分でもスムーズにスノーモービルを乗りこなすことができた。「私たちスタッフのモットーは、小さな子どもから高齢者までちゃんと乗れるよう全力でサポートすること。最高齢だと88歳の人もいたよ」と加藤さん。さらに工藤さんも「施設やコースの管理など大変なことも多いけど、お客さんが帰る時には皆『楽しかった』と笑顔になる。何と言ってもこれが仕事をする原動力」と白い歯をのぞかせた。

 工藤さん、加藤さんともに60歳オーバーだが、年齢を感じないほど若々しく元気。健康の秘けつを聞くと「特に何もしていないけど、スノーモービルは体幹を使うから、毎日乗るだけでいい運動になっているのかも」と口をそろえた。確かに体験の翌日、私の体にも筋肉痛が。やっぱり、スノーモービルって楽しいだけでなく、全身運動にもなるのね。同ランドは3月まで営業予定。初心者でも楽しめるスノーモービル体験にぜひ、出掛けてみて。

やさしい笑顔で出迎えてくれたスノーモビルランドのスタッフ(左から工藤さん、木内洋平さん、加藤さん)

▼問い合わせ先
南由利原青少年旅行村=0184・53・2126
※10時~16時(毎週月・火曜日定休)