世界王者が直々に指導。ラートの魅力を体感

2019年03月13日
子どもから大人まで意外と簡単にできる?

 2本のリングを平行につなげた器具を操り、「直転」「斜転」「跳躍」の3種目で技の難易度や美しさを競う体操競技「ラート」。実は今年4月21日、秋田県立体育館を会場に、ラート団体戦の世界大会が開催される。この大会の注目選手が、仙北市角館町出身の髙橋靖彦さん(33)。男子個人総合で全日本選手権7連覇中、ほぼ2年おきに行われる世界選手権では2013年、15年、18年と大会史上初の3回優勝に輝いているラート界の超スター選手だ。そんなすごい人が秋田にいるなら直接会ってラートの指導を受けてみたい! 思い切って連絡してみると、「あの吉田輝星投手とキャッチボールした記者マッキーさんなら、ぜひ」とOKの返事が。体験記を読んでくれてありがとう、髙橋さん。よし、最初からぐるぐる回って、世界王者を驚かせるぞ!!

ラートは、そのままのサイズだと大きくて持ち運びが大変。四つに分解して持ち運ぶそうう

 「ラートって結構な運動神経が必要だべ。マッキー、けがするなや」。体験当日、職場の大先輩たちの心配をよそに、やる気満々で髙橋さんが練習する体育館に向かった。扉を開けると、スタイル抜群の男性が爽やかな笑顔で登場。すっとした立ち姿に「さすがトップアスリート」と感心していると、「早速、ラートをやってみましょうか」と髙橋さん。「え? すぐやるんですか?」。目の前に鎮座している直径2メートルもありそうなラートを見て、いきなり動揺する私。それでも髙橋さんから「誰でも意外と簡単にできるのがラートの一番の魅力。体験会でも子どもから高齢の方まですぐ回ってますからね」と促され、二つのリングをつなぐ台に足を置き、左右の頭上にある突起に手を掛けてみた。ラートのサイズは大丈夫そうだけど、自分の見た目がつかまった宇宙人みたいに感じるのは気のせいだろうか・・・。

髙橋さんからアドバイスを受けながら、ラートの一回転に挑戦。逆さまになると怖いし、体が重くて重力がすごい!!

 次は台に足を固定するためのベルトを装着し、足踏みをする要領で左右にリングを揺らしてみた。 「なかなかうまいですよ」とおだて上手な髙橋さんの言葉に、「何だか楽しいぞ」と思ったのもつかの間、「じゃあ、回ってみましょう」と言われ顔がひきつる。いざ、回転するとなると恐怖心が先に立つのだ。髙橋さんのサポートを受けながら、ゆっくり回転動作に入ったが、体が回転するに連れて重心が逆さまになって自分がどこにいるのか分からなくなり「怖いー。ムリー」と女子力高めに叫んでしまった。でも、この動作を数回繰りかえすと意外に慣れるもの。数分後には自力での回転に挑戦することになった。「姿勢を正して、真っすぐ前を見て」という髙橋さんのアドバイスを聞きながら思い切って回ると、あっさり一回転。「できたー!」。ちょっとのコツをつかめば1人で回転できるラートって、面白いし何だかとっても達成感がある。最後はリングの左右に2人で座り、交互で上下に動くシーソーのような動きを体感。公園の遊具で遊んでいるような、面白い感覚も味わわせてもらった。

髙橋さんと一緒にシーソー体験。楽しい!体幹が鍛えられるとあって、ラートは女性にもお勧め

秋田をラートの聖地に

 ドイツ発祥のラートはヨーロッパで人気だが、日本では競技人口500人あまりと、県内でもまだまだ耳慣れないスポーツ。そんなラートに髙橋さんが出合ったのは、筑波大学2年生のとき。もともと野球少年だったが、足の故障を機に野球を断念。体育の教員採用試験に向け、苦手な分野を克服しようと体操部に入り、そこからラート競技人生が始まった。元々のバランス感覚や空間認識能力の高さに加え、野球で鍛えた脚力を生かしてどんどん上達し、6年前には念願の世界1位に。その後もスタイルの良さを生かしたダイナミックな演技を進化させ続け、世界王者の地位を守っている。そんな高橋さんに体作りの秘けつを訪ねると「特に気を付けているのが食事。外食が多いので、タンパク質など一日の摂取量を考えながら食べています。深い眠りも大事にしていて、寝る前にストレッチをして体をリラックスさせるよう心掛けています」。さらに「普段の姿勢も気にしていて、デスクワークではずっと座りっぱなしにならないよう、30分に1回は立ち上がるようにしていますよ」とも教えてくれた。健康につながる地道な努力は、一般の人でも参考になりそうだ。

練習中の髙橋さん。輪の中で鉄棒選手のように回転したり、体全体を使って斜めになったラートを高速回転させたり、すごい技の連続はさすが世界王者。見る人を魅了します

 現在、髙橋さんはプロバスケットボールクラブ・秋田ノーザンハピネッツの社員として働きながら競技生活を送り、そして同チームのホームゲームなどでのパフォーマンス、さらに県内各地でのラート体験会の開催など精力的に活動している。「たくさんの人に助けていただきながら活動ができていることに、本当に感謝しています。体験会で子どもたちやその親御さんたちが笑顔で楽しそうにしている姿を見ると、ラートをやっていて良かったと本当に感じるし、自分も今が一番楽しい」と白い歯をのぞかせた。

 4月に秋田で開催される「第9回世界ラートチームカップ」は、アジア初開催。今回は日本、ドイツ、スイス、オランダの4カ国から男女合わせ各4人のトップ選手が出場し、団体戦で世界一を争う。「秋田で世界大会が行われるのは歴史的なこと。成功させて秋田をラートの聖地にできれば。日本はもちろん優勝を狙っています。入場無料ですので、ぜひ多くの皆さんに会場に足を運んでもらいたいです」とPRする髙橋さん。世界トップクラスの選手たちの華麗な演技を間近で見る絶好のチャンス。県民一丸となって応援しよう!!

世界王者なのに、気さくな髙橋さん。お願いすると、こんなポーズも取ってくれました。みんなで秋田で行われる世界大会を応援しに行こう!

▼ラート体験に関する問い合わせ先
秋田ノーザンハピネッツ株式会社
TEL018・865・0521
メールinfo@northern-happinets.com