「円熟体操」で頭も体もすっきり!

2019年04月15日
アクティブなのは高齢者

 先月、60代の母が中学校時代の同級生たちと2泊3日で東京旅行に行ってきた。スカイツリーや国会議事堂見学、屋台船からの桜の花見、上野アメ横での買い物…と、過密スケジュールを満喫したという。「足パンパンだども友達としゃべくって楽しがった-」と、ますますパワーアップしている様子。秋田って高齢化率日本トップだけど、ウオーキングや山登り、ジム通いなど、アクティブに活動しているのは高齢者のような気がする。

 県内の20歳以上男女3千人を対象とした県の「健康づくりに関する調査報告書(2018年度)」によると、運動習慣の調査では、週2回以上、30分続けて運動している人(散歩や農作業などを含む)は42・2%。男女共に60歳以上が5割を超える一方、男性の40代、女性の20~40代が3割未満。積極的に体を動かしているのは60代以上なのだ。「ならば、元気な皆さんからパワーをもらいたい!」と、美郷町総合体育館「リリオス」で中高年を対象に週1、2回開催している「わくわく熟体操」に参加することにした。さて、どんな内容なんだろう?

ユーモアを交えながら楽しく円熟体操を指導してくれた又井さん(右)と赤川さん

 教室当日の朝、会場では、「おはよう」「きょうの服装、いいねが」と、60~70代の参加者の笑い声が響いていた。既に〝口の運動〟は始まっているようだ。その中心にいたのは、講師の又井誠さん(62)=美郷町総合型スポーツクラブスポーツ推進委員=と赤川薫さん(60)=横手市・スポーツレクリエーション指導者。又井さんは「教室で行うのは、ストレッチ、筋力トレーニング、有酸素運動などで構成する『円熟体操』。県スポーツ科学センターで05年から行っている『あきた元気アップ円熟塾』で考案された各種体操を組み合わせたものだがら、その日の参加者に合わせて内容を変えでるのよ。無理のない範囲で楽しく運動してけれ」と声を掛けてくれた。

椅子に座ってのストレッチ。結構気持ちいい!

 
気持ちいい、椅子を使ってストレッチ

 まずは体調チェック。血圧「141、85」って…私の血圧、高くないか(汗)。気を取り直して、椅子を利用したストレッチを行う。背もたれに伸ばした腕を置き、背中を伸ばす動作では、気持ちの良さに自然に「フー」っとため息が出た。体が温まってきたところで、軟らかな手のひら大のボールを渡される。片手で10回ずつ握ったり、ひざや太ももでボールを押しつぶすように挟んだり。握力や下半身を鍛える動作が地味に体に効いてくる。ここで講師の赤川さんが「太ももでボールを挟む練習を続ければ、内転筋が鍛えられて〝尿漏れパッド〟がいらねぐなるがらねー」と一言。ボールがない人は、自宅でも座布団を挟む練習を毎日続けると効果があるそうだ。

柔らかいボールを使ってのストレッチや筋トレも。普段使わない部位は、動きがぎこちない

 
的当てゲームに大興奮

 「わくわく熟体操教室」の後半は、片足立ちで靴下を履く動作の練習から。これで靴下を履けなくなると、運動器の衰えのサインだったはず。恐る恐るチャレンジすると、片足立ちでかなりぐらつく。何とか履くことはできたが、たっぷり付いてしまった、邪魔なおなかの肉にがくぜんとした。続いて正しい歩き方と座り方を学ぶ。歩き方の練習では、両腕を前に出し、つま先を上げてから足の指で地面をしっかりつかんで前進。「能のすり足みたいで面白いな」という参加者の声に、皆が思わず吹き出す。座る際は背もたれに背中をつけず、前の部分に座ると自然に背筋が伸びるという。

 ストレッチ、筋トレが終わり、最後は有酸素運動の時間。そのとき、又井さんが「きょうはゲームをやるよ」と、輪になった参加者にペットボトルのふたを配り、中央に直径10センチほどのサイコロクッションを置いた。何が始まるのかな? そう思っていると「ふたを指ではじいて、的に当ててみでけれ。はい、始め!」と赤川さん。簡単に的には当たらない。でも、そこがまたすごく面白い! 童心に帰って遊んでいると、あっという間に1時間半の教室が終了した。

教室では、ペットボトルのふたを利用した的当てゲームも。参加者は童心に帰って大はしゃぎ

 
つらすぎないから長続き

 終わってみると、体や頭がすっきりしていることに気付く。何よりお母さんたちの元気に圧倒された。1年ほど前から参加しているという安藤栄子さん(61)は、仕事を退職後、家にこもらず外に出るきっかけをつくろうと教室へ通うようになったという。「1人で参加したので最初は不安だったけど、すぐに仲間ができたし、笑いながら楽しく運動できるので今も続けられています。悩みだった腰痛や五十肩はすっかり良くなって、積極的に行動できるようになりました」と語る。

 ユーモアを交えながら指導した又井さんと赤川さんは、県スポーツ科学センターが任命する「元気アップ運動機会拡充事業指導者」。県内では2人を含め、現時点で22人の資格者がいるという。「気を付けているのは、参加者が長続きするよう、運動がつらいと思わせないプログラムを考えること」と赤川さん。又井さんは「参加者の体調チェックはもちろん、休みがちな人の顔を見に自宅を訪ねることもある。高齢者の見守り活動にもなってるんだ」。そして「まだまだ家から出ない人もいるがら、町内会や老人クラブなどに円熟体操の出前講座に行って元気なお年寄りを増やしたいな」と口をそろえた。こんな熱い思いの指導者がいる地域に住んでいれば高齢者も安心だし、未来は明るいはず。この活動の輪が、全県各地に広まればいいな!

最後は参加者全員で記念写真。皆さん元気でいい笑顔です!

▼元気アップ、円熟体操に関する問い合わせ
県スポーツ科学センター=018・864・6225