受動喫煙防止そして禁煙/健康経営の取組み株式会社クツザワ(横手市増田町)
明治から昭和にかけて商業の町として発展した趣を残す増田蔵町通りがある横手市増田町。今回受動喫煙防止対策を紹介する株式会社クツザワは、昭和55年5月この町で創業し来年創業45周年を迎える。金属部品加工事業、ロボット事業(開発・設計・製造・組立)を営む県内のものづくり事業を牽引する企業である。同社業務部業務課の菊池係長と小嶋さんにお話しを伺った。
同社の受動喫煙防止と禁煙の取組は、健康経営活動の一環として始まった。「2017年の気温の寒暖差が激しかった春と秋に社員1名ずつが深夜の就寝時に心筋梗塞を発症し、救急車で病院に運ばれるということがありました。現在この二人は仕事に完全復帰していますが、当時は業務の中心的役割を担っていたため業務への影響が大きく、本人たちもリハビリに苦労しました。この出来事をきっかけとして沓澤社長は社員の健康を経営の最重要ポイントに引き上げ、継続して取り組んでいます。」と菊池係長は話す。同社は社屋内を全面禁煙とし屋外に喫煙所を設置、令和3年2月屋内全面禁煙施設として秋田県受動喫煙防止宣言施設の登録を行い、経済産業省「健康経営優良法人」、「秋田県版健康経営優良法人」の認定を毎年受けている。
現在実施中の取組として、昨年の社員アンケートで判明した同社の喫煙率45%を今年35%以下にすることを目標に、喫煙社員への禁煙支援活動を行っており、メインは喫煙者と非喫煙者をペアにして禁煙に取り組む「ペア禁煙」である。3か月、6か月ごとに禁煙成功のペアそれぞれに賞金を授与する。禁煙の達成状況を管理しているのが「禁煙手帳」である。この手帳は沓澤社長と業務部が禁煙の進捗を管理する方法を検討中に、島根県庁のホームページに掲載されていた「禁煙手帳」を発見し、自由にダウンロードして活用できることから採用したとのこと。現在挑戦中の17組全てが禁煙を達成すれば、目標の35%をクリアすることになる。
ペア禁煙実施に合わせ、全社員から募集した禁煙標語を社内掲示版に掲載しているほか、投票を行い投票数が一番多い標語を作った従業員に賞金を授与した。また禁煙社員増加を目的に、全社員を対象に県庁出前講座「学ぼう!たばこの害について」を4月から5月までに5回実施した。
「当社は元々喫煙率が高く、禁煙やたばこの害などに関心が高くありませんでした。しかし、現在実施中の受動喫煙防止と禁煙支援活動で、多くの社員がたばこの害について関心が高くなってきており、禁煙にチャレンジしている仲間を全員で応援する雰囲気づくりができているように思います。」と小嶋さんは話す。
「地元に残って仕事と生活を選ぶ若者が増えるように、社員の健康を大切に考え働きやすい会社があるということを、もっと対外的にアピールしなければならない。健康経営は未来への投資である。」との沓澤社長の思いを実行するため、菊池係長と小嶋さんは会社のフェイスブックでも同社の健康経営活動をアピールしている。
増田町は蔵町通りを後世に継承していくための取組が行われている。同様に株式会社クツザワの積極的な健康経営も、未来へ継承のための取組であることを十分に感じることができた。
株式会社クツザワ
創立 昭和55年5月
代表者 代表取締役社長 沓澤 淳利
【本社】横手市増田町増田字館花20-1
TEL 0182-45-3873
FAX 0182-45-4744
URLhttp://www.kutuzawa.co.jp/
「受動喫煙防止宣言施設」登録制度について
県では、受動喫煙防止対策を促進するため、市町村及び全国健康保険協会秋田支部(協会けんぽ秋田支部)とともに「受動喫煙防止宣言施設」登録制度を実施しています。
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