eスポーツで介護予防/楽しみながら認知・運動機能の改善を高齢者らに参加促す▶▶▶県社会福祉協議会

2026年03月31日 掲載

 県社会福祉協議会は、高齢者の社会参加と健康づくりを目的に「eスポーツ」を活用した介護予防事業に取り組んでいる。コンピューターゲームなどを楽しむ場を地域に設け、高齢者のフレイル(虚弱)予防につなげようとしている。

太鼓のゲームで目標点数を達成し笑顔を見せる参加者=25年12月9日、秋田市のあさひ町内会館

 参加者は週1回、3カ月間にわたり、町内会や公民館など徒歩で通える場所に集まり、ドライビングゲームや太鼓をたたくリズムゲームなどに挑戦して、その効果を検証する。体調に配慮して椅子に座ってできるゲームも取り入れており、「歩いて出かける機会が増えた」「競争心や高揚感が戻った」などの声が寄せられ好評という。

 秋田大学の大田秀隆・高齢者医療先端研究センター長のチームと連携し、参加者の認知機能や身体機能などを測定。筋力や瞬発力など心身への影響を調べており、記憶力や情報処理能力の改善傾向が確認されているという。

 初めて事業を実施した2024年度は秋田市と仙北市の計3カ所で、25年度は秋田、由利本荘両市の計4カ所で、それぞれ効果を検証。1回当たり5~15人が参加した。

講座の盛り上げ役を担う生活支援コーディネーター(写真奥)=25年10月7日 由利本荘市の勝栄会館

 26年度は楽しみながらフレイル予防や認知症予防に取り組めるようなプログラムを開発し、高齢者の「通いの場」への導入を促進する。県社福協地域福祉・生きがい振興部副主幹の工藤恵子さんは「事業を実施した地域では、生活支援コーディネーターが参加者に丁寧に声をかけ、通い続けられるように支えています」と話す。

 生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)は、地域住民や関係団体と連携して、高齢者の生活支援や介護予防の仕組みづくりを行う専門職だ。各市町村に配置されており、eスポーツの講座では参加者に声をかけたり、ゲームで対戦したりして盛り上げ役を担っている。事務局次長の藤田宏さんは「この機会に、生活支援コーディネーターの存在を広く知ってもらいたいです。コーディネーターとも協力して、地域共生社会の実現につなげたいです」と語った。